モリモト ヒロミチ
Hiromichi Morimoto
森本 寛訓 所属 川崎医療福祉大学 医療福祉学部 子ども医療福祉学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 対人援助職者の感情状態と関連する職業生活出来事に着目したうつ軽減の視点――職業生活出来事がポジティブ感情またはネガティブ感情を媒介してうつに与える影響の分析を通して―― |
会議名 | 日本心理学会第77回大会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎森本寛訓, 瀧川真也, 長田久雄 |
発表年月日 | 2013/09 |
開催地 (都市, 国名) |
北海道 |
学会抄録 | 日本心理学会第77 回大会発表論文集 321 |
概要 | 対人援助サービスは対人援助職者の行為そのものである。ゆえに対人援助サービスの充実は対人援助職者自身の心理状態によって,その充実の程度が左右される。対人援助職者の心理状態を良好に維持することは,対人援助サービスの充実を図るためにも重要であるといえる。筆者らは現在まで対人援助職者のポジティブ,ネガティブ感情と関連するポジティブ,ネガティブ職業生活出来事(それぞれPWLE(Positive Work Life Events),NWLE(Negative Work Life Events)とする)に着目し,研究を進めてきた(森本・神田・長田,2011)。本研究ではポジティブ感情とネガティブ感情がうつ(depression)の構成要素であること(Watson & Kendall,1989)をふまえ,PWLEはPAを媒介して,またNWLEはNAを媒介してうつに与える影響,すなわち媒介効果について分析し,うつを軽減する視点に関して考察した。本研究ではPWLEがポジティブ感情を媒介して,またNWLEがネガティブ感情を媒介してうつに与える影響,すなわち媒介効果について分析を行った。うつは様々な心身症状からなるが,感情面の不調はその症状のひとつである。今回の研究では,うつの感情面が低ポジティブ感情と高ネガティブ感情で構成されること(Watson & Kendall,1989)より,ポジティブ感情と正の相関関係にあるPWLEと,ネガティブ感情と正の相関関係にあるNWLEには,それぞれポジティブ感情とネガティブ感情を媒介してうつに影響を及ぼす,媒介効果があると考えた。分析の結果,PWLE体験はPAを媒介してうつを低減し,NWLE体験はNAを媒介してうつを増大させることが認められた。したがってPWLE体験を高める,またはNWLE体験を低めるという視点は,対人援助職者のうつ軽減について有効な示唆を与えてくれるものと思われる。 |