ホンノ カツミ   Katsumi Honno
  本野 勝己
   所属   川崎医療福祉大学  医療福祉マネジメント学部 医療情報学科
   職種   准教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 岡山県における退院時の状況から見た高齢患者動向―DPC データを用いた医療介護分析―
掲載誌名 正式名:川崎医療福祉学会誌
ISSNコード:09174605
掲載区分国内
出版社 川崎医療福祉学会
巻・号・頁 33(1),123-133頁
著者・共著者 大井悠成, 本野勝己, 樫村菜穂, 虫明昌一, 三田岳彦, 谷川智宏, 大坂卓, 片岡浩巳, 小原仁
発行年月 2023/09
概要 現役世代人口が急減する2040年問題を展望し,効果的で効率的な医療や介護の提供体制を整えるために,医療と介護のデータ分析は必要不可欠と言える.そこで,岡山県の高齢者の医療施設退院時の医療と介護の状況を明らかにすることを目的とし,岡山県内の18医療施設から収集した Diagnosis Procedure Combination(以下,DPC)データを用いて65歳以上の主要診断群(Major Diagnosis Category:以下,MDC)の MDC01,MDC04,MDC05,MDC1に属している退院患者の性別,退院先,要介護状態,在宅医療が必要な状態などの要素を考慮し,対象の MDC ごとに患者数と要介護(要支援)認定者割合を比較し,各 MDC の退院時医療介護状況の傾向を分析した.その結果,MDC01,MDC04の患者は要介護1~5の割合が高く,MDC05,MDC16の患者は要支援1~要介護3の割合が高
かった.このことから,MDC01,MDC04の患者は入院前から要介護度の高いサービス利用者が多く,MDC05,MDC16の患者は要介護度の低いサービス利用者が多いことが推察された.退院先においては,MDC01患者は全体的に医療ニーズが高いが,要介護認定者は在宅療養への移行が比較的多かった.一方で MDC04患者の要介護認定者は医療ニーズが高く,在宅療養への移行が比較的難しい症例群であった.また,MDC05と MDC16の要介護認定者の要介護度は低いが,他の病院・診療所への退院率が高い症例群であることが示された.したがって,要介護認定者の退院時の状況は,概ね要介護状態が高い傾向にあり比較的「家庭」への退院率が低いことが示唆された.本研究を通して,医療と介護データの連結分析の必要性と重要性を改めて認識した.