オカ ミキオ   Mikio Oka
  岡 三喜男
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 免疫腫瘍学
   職種   特任教授
言語種別 日本語
発表タイトル 化学療法を受ける肺がん患者の心理的支え
会議名 第53回日本癌治療学会学術集会
主催者 日本癌治療学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎太田浩子, 小野美穂, 平松貴子, 高杉栄子, 福田縁, 岡三喜男, 片岡健
発表年月日 2015/10/29
開催地
(都市, 国名)
京都市
学会抄録 日本癌治療学会誌 50(3),508 2015
概要 <目的>化学療法を受ける肺がん患者の心理的支えと目標を明らかにする。
<方法>研究対象:肺がん患者で以下5つの条件を満たす患者:3名
①肺がんの告知がされた、②化学療法を受けている、③認知機能、精神機能に障害がない④身体的に調査に支障がない、⑤ステージ:Ⅲ~Ⅳ、パフォーマンスステータスが0~1の患者。除外:精神的に不安定と判断する患者および、「つらさと支障の寒暖計」で共に5点以上の患者。
調査方法:インタビューガイドに基づいた半構成的面接法
調査項目:年齢・性別・家族・職業の有無・肺がんに気づいた時期・症状・副作用・HHI尺度・つらさと支障の寒暖計・治療を行うために支えになったもの・治療法
調査時期:平成27年3月10日~4月10日
分析方法:逐語録を作成し、質的帰納的方法でコード化、カテゴリー化した。
倫理的配慮:書面及び口頭で倫理的配慮について説明を行った。川崎医療福祉大学及び研究実施施設の倫理委員会の承認を得ている。
<結果>患者の年齢は平均64歳、家族:有2名・無1名、有職者3名、治療開始後経過期間は平均4年1か月であった。化学療法を受ける患者の目標は、14コード、【前向きでいたい】【家族との時間をずっと大切にしていたい】【入院環境を整えたい】【人の役に立ちたい】【寝込みたくない】5つのカテゴリーが抽出された。また、化学療法を受けるうえでの心理的支えは、35コード、【妻の励まし】【家族がそばにいる】【周囲の励ましを実感する】【医師との信頼関係】【看護師の気配り】など11カテゴリーが抽出された。
<考察>化学療法を受ける肺がん患者の目標は、病気に負けないよう【前向きでいたい】や、孫の成長を見たい、家族旅行をしたいなど【家族との時間をずっと大切にしていたい】であった。そのためにも、まだまだ【寝込みたくない】と考えていた。また、病院内を明るく、患者同士が話し会える場を作りたいなど、自分の【入院環境を整えたい】や、いろいろな【人の役に立ちたい】などの目標をもっていた。また、化学療法を受けるうえでの心理的支えは、いつもそばにいる【妻の励まし】や毎日面会に来る、差し入れをしてくれる、いろいろな話ができる、信頼する【家族がそばにいる】ことや、家族以外の【周囲の励ましを実感する】であった。また、親身になってくれる【医師との信頼関係】や【看護師の気配り】などが支えとなっていた。