ナカタ マサオ   Masao Nakata
  中田 昌男
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 呼吸器外科学
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 非小細胞肺癌縦隔LN転移における画像診断の現状と問題点
会議名 第53回日本肺癌学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎最相晋輔, 保田紘一郎, 前田愛, 湯川拓郎, 沖田理貴, 平見有二, 清水克彦, 中田昌男
発表年月日 2012/11/09
開催地
(都市, 国名)
岡山県岡山市
学会抄録 肺癌 52(5),614 2012
概要 背景:cN2 NSCLCはheterogeneousなgroupで標準治療は確立していない。切除可能であってもinitial surgeryは推奨されず、本邦では術前治療の後に手術が行われることが多い。より正確な臨床病期診断が求められ、画像診断が担う役割は依然として大きい。
目的:縦隔LN転移の画像診断の現状と問題点を明らかにする。
対象:2007/1-2011/12に選択的または系統的郭清を伴う区域切除以上の肺切除を施行した、前治療のないNSCLC 202例(男性129例・女性73例、平均年齢69.1歳、腺癌134例・扁平上皮癌49例・その他19例)。
方法:縦隔LNのCT・PET所見と転移の有無をretrospectiveに比較検討する。LN番号はTNM第7版(IASLC map)に準じた。
結果:評価可能LNは424個で,転移陽性30個,転移陰性394個であった。CT(縦隔条件)で381個(89.4%)が描出され、短径3.3-20.0mm(中央値7.2mm)で10mm以上のLNは54個(12.7%)であった。PETでは、SUVmax 2.5以上のLNは41個(9.7%)、2.5未満が37個(8.7%)で、346個(81.6%)はFDGの集積がなかった。CT(短径>10mm)、PET(SUVmax>2.5)の感度/特異度/陽性的中率/陰性的中率は33.3%/88.8%/18.5%/94.6%、40.0%/92.6%/29.3%/95.3%であった。喫煙者や肺気腫・IP合併例はCT・PET陽性率は高いが偽陽性率も高率であった。腺癌は非腺癌と比較してCT・PET陽性率は低いが感度・特異度に差はなかった。また、画像診断の正診率は原発巣の最大径・SUVmaxや腫瘍マーカー等によっても大きく異なった.
考察:画像診断の技術向上にもかかわらず,縦隔LNの診断精度は改善しているとは言い難く,size criteriaを凌駕する診断基準は確立されていない。cN2 NSCLCの治療方針決定や縮小手術の適応判断には組織学的検索が不可欠である。