サイショウ シンスケ   Shinsuke Saisho
  最相 晋輔
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 呼吸器外科学
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル Solid typeおよびPart-solid typeの肺腺癌における充実性成分の免疫組織学的特徴と予後に関する検討
会議名 第38回日本呼吸器外科学会学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎最相晋輔, 杉山華衣, 松谷隆志, 野島雄史, 黒﨑毅史, 清水克彦 中田昌男
発表年月日 2021/05/21
開催地
(都市, 国名)
Web開催
概要 【背景】肺腺癌ではHRCT上のsolid componentは浸潤巣を反映し,そのサイズが予後に比例するとされ,肺癌取扱い規約(第8版)ではT因子はsolid componentの最大径で規定されている.しかし,充実型(solid type)と部分充実型(part-solid type)ではsolid componentの生物学的特徴が異なるとされる.【目的】肺腺癌のsolid typeとpart-solid typeのsolid componentの悪性度を免疫組織学的に検討し,各々の微小免疫腫瘍環境や予後の相違を明らかにする.【対象】2007/1~2014/12に肺葉切除(ND2a-1)を行ったcT1b/cN0M0の肺腺癌112例.【方法】術前HRCT所見によりsolid type(58例)とpart-solid type(54例)に分類して,各群の臨床病理学的特徴と予後を明らかにし,さらに免疫組織染色によりsolid componentのKi-67・PD-L1・CD8陽性腫瘍浸潤リンパ球(CD8+TILs)の発現を評価して予後との相関を解析した.
【結果】Solid typeは喫煙者が多く,CEA高値,原発巣のSUVmax高値で,病理学的には低分化成分を多く含み,pN(+)やly・v(+)が高頻度で,Ki-67 labeling index高値でPD-L1高発現が多くみられた.予後解析では,solid typeは有意に予後不良で,CEA値,pN(+),Ki-67,PD-L1,CD8+TILsがそれぞれ独立した予測因子であった.また,solid typeではpN(+),PD-L1,CD8+TILsが独立した予測因子であったのに対し,part-solid typeはKi-67のみが予測因子であった.【結論】肺腺癌ではsolid typeとpart-solid typeではその臨床学的背景や予後,solid componentの病理学的所見や微小免疫腫瘍環境など生物学的特性も異なる.こうした相違を基に術後補助化学療法などの治療戦略が構築されることが期待される.