サイショウ シンスケ   Shinsuke Saisho
  最相 晋輔
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 呼吸器外科学
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 『標準治療』としての術後補助化学療法の現状と問題点
会議名 第33回日本呼吸器外科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎最相晋輔, 野島雄史, 前田愛, 沖田理貴, 清水克彦, 中田昌男
発表年月日 2016/05/12
開催地
(都市, 国名)
京都府京都市
概要 【背景】2005年度版の肺癌診療ガイドラインから術後補助化学療法(adj.CT)は標準治療として確立し,以後JCOG0707・JIPANG等臨床試験は行われているが新たなエビデンスはない.一方,高齢・併存疾患等のハイリスク症例は年々増加し,ガイドライン治療困難な場合も多い.【対象と方法】2005/1-2015/8のNSCLC完全切除例のうちpIA(pT1b)-IB 266例とpII-IIIA 141例(術前治療,神経内分泌癌等は除外)を対象とし,adj.CTの有無とその背景を後方視的に検証し,ガイドラインと日常臨床との相違や問題点を明らかにする.【結果】pIA-IB群:男性194例・女性72例,平均年齢71.9歳(26-90歳)で75歳以上が125例(47.0%).adj.CT施行79例(29.7%;UFT/TS1/プラチナ併用療法=38/28/13〔臨床試験44例〕),未施行187例(70.3%)で,その要因は高齢105例,消極的縮小手術64例,循環器疾患57例,CTで間質性陰影24例,CRF 7例,PSL内服7例等(重複有)であった.5年生存率は施行群84.9%・未施行群65.1%であった(p=0.016).pII-IIIA群:男性96例・女性45例,平均年齢70.9歳(37-85歳)で75歳以上が61例(43.3%).adj.CT施行78例(55.3%;プラチナ併用療法/UFT・TS1=51/27〔臨床試験26例,pN0 8例〕),未施行63例(44.7%)で,その要因は高齢41例,循環器疾患13例,間質性陰影12例,消極的縮小手術10例,術後合併症5例等(重複有)であった.5年生存率は施行群43.6%・未施行群34.4%であった(p=0.017)【考察】adj.CTは標準治療と位置付けられているが施行困難なハイリスク症例も多く,その主たる要因は高齢である.急速な高齢化社会に伴い肺癌手術症例もさらに高齢化しており,日常臨床に即した治療指針が求められる.