サイショウ シンスケ   Shinsuke Saisho
  最相 晋輔
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 呼吸器外科学
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 副腫瘍結節(Additional tumor nodule)を伴う原発性肺癌の予後に関する検討
会議名 第51回日本肺癌学会中国・四国支部会
学会区分 地方会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎最相晋輔, 保田紘一郎, 前田愛, 湯川拓郎, 沖田理貴, 平見有二, 清水克彦, 中田昌男
発表年月日 2012/07/20
開催地
(都市, 国名)
山口県下関市
概要 背景:臨床的に同時性多発肺癌(multiple lung cancers, MLC)と肺内転移(pulmonary metastases, PM)の鑑別はしばしば困難である.肺癌取扱い規約第7版では副腫瘍結節として取り扱われ,切除可能な場合には手術が第一選択とされることが多い.
目的:副腫瘍結節を伴う原発性肺癌の予後を明らかにする.
対象/方法:2004/4-2011/10に副腫瘍結節を伴う原発性肺癌に対して根治的治療を行った46例(男性41例,女性5例,平均年齢68.3歳)を対象とする後ろ向き検討.
結果:病理診断ではMLC 25例(IA; 18例, IB; 4例, IIA; 1例, IIIA; 2例),PM 21例(IIB; 11例, IIIA; 8例, IV; 2例)と診断された.術後観察期間中央値は43.0ヶ月で,無再発生存率(3年DFS; 80.7% vs. 63.1%, p=0.05)はMLCで良好であったが,全生存率(3年OS; 89.8% vs. 84.4%, p=0.33)に差はなかった.また,MLC 25例中6例(24%)に異時性多発癌を認めた.
考察:副腫瘍結節のうち,PMと診断された症例はpIIB期以上であり再発リスクは高い.一方,MLCの多くはpI期であったが異時性多発癌に注意を要する.同一組織型であれば病理学的にもMLC・PMの鑑別困難な場合もあり,副腫瘍結節を伴う肺癌術後はintensiveなfollowが望まれる.