ハシモト ケン   Ken Hashimoto
  橋本 謙
   所属   川崎医科大学  医学部 基礎医学 生理学1
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 甲状腺機能亢進症モデルマウスにおける心臓リモデリングの評価
会議名 第65回日本生理学会中国四国地方会
主催者 川崎医科大学 生理学1
学会区分 地方会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎笹江友美, 橋本謙, 氏原嘉洋, 毛利聡
発表年月日 2013/11/02
開催地
(都市, 国名)
倉敷市
概要 【背景】心臓は液性因子や力学的負荷などにより環境に適応した機能制御を行う。甲状腺ホルモンは全身で基礎代謝の調節を司っており、心臓に対しても心拍数増加、酸素消費量増加などを起こすと共に、血管抵抗の低下によって全身の循環動態も変化させる。また、甲状腺ホルモンは他の心機能を亢進させるホルモンや薬剤と比べCaハンドリングに必要な酸素消費量が少ない。
【目的】甲状腺機能亢進症モデルマウスを用いて心室形態を含めた心機能評価を行うとともにCaハンドリングに関係する分子であるNa-Ca交換輸送体(NCX)や筋小胞体カルシウムATPアーゼ(SERCA)の発現調節を検討する。心筋細胞を収縮させた細胞質内のCaはNCXおよびSERCAにより、それぞれ細胞外、筋小胞体へと排出されるが、この2つのCa排出経路はエネルギー効率が異なる。甲状腺ホルモンはこれらの経路を調節してエネルギー抑制的な心機能亢進を可能にしているとの仮説を検証する。
【方法】8週齢の雄性C57BL/6マウスに甲状腺ホルモンT3(triiodothyronin)を300μg/kgを3週間腹腔内投与した群をT3投与群、同様にリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を3週間腹腔内投与した群を対照群とした。評価は①心臓超音波にて左心室の形態変化をみる②Caハンドリングに関係するタンパク質やmRNAの発現変化を比較検討する③単離心筋細胞にCa指示薬(indo-1)をロードして、Caトランジェントを計測し、NCXの活性や筋小胞体Ca貯蔵量の変化を比較した。
【結果】心臓超音波では対照群と比較しT3投与群では左室の収縮率の低下や拡張期容積の拡大がみられた。またタンパクやmRNAの定量ではNCX、SERCAともに差は見られなかったものの、活性を比較するとNCXは低下しており、SERCAは増加していた。