ヤマネ ヒロミチ   Hiromichi Yamane
  山根 弘路
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 総合内科学4
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)投与後に筋無力症を生じた小細胞肺がんの1例
会議名 第59回日本肺癌学会中国・四国支部学術集会
学会区分 地方会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎松井 佐栄子, 河原 辰由樹, 宇治 恵美子, 武田 孝平, 小坂 陽子, 田岡 征高, 長﨑 泰有, 中川 望, 越智 宜昭, 中西 秀和, 山根 弘路, 瀧川 奈義夫
発表年月日 2021/08/08
開催地
(都市, 国名)
岡山市
概要 【症例】66歳,男性.【現病歴】背部痛のため前医を受診し,CTで右肺門部腫瘤,胸水貯留,肝腫瘤を認め, 当院を紹介された.胸水セルブロックで腺癌の所見のためCDDP+PEM+Pembrolizumabで治療を開 始したが,その後肝生検で小細胞癌と判明した.1cycleで効果を認めたがCBDCA+ETPに変更した. 抗腫瘍効果は持続したが,3cycle施行後に急速に嚥下障害,筋力低下,眼瞼下垂が出現した.誘発筋 電図では3Hz反復刺激試験でWarning現象を認め,抗Ach受容体抗体陽性のため,重症筋無力症(MG) と診断した.また抗P/Q型VGCC抗体も陽性であり,Lambert-Eaton筋無力症候群(LEMS)の鑑別も 必要であった.抗ChE薬,免疫グロブリン療法,血漿交換療法を施行したが,明らかな改善は認めら れなかった.【考察】小細胞肺癌に合併する傍腫瘍性神経症候群でLEMSの頻度は高く,抗腫瘍効果と ともに改善しやすい.また免疫関連有害事象の中でMGは致死率が高いと報告されている.本症例は 抗P/Q型VGCC抗体陽性から潜在的にLEMSがあり,ICI投与後にMGが生じたものと推察している. 進展型小細胞肺癌の化学療法にICI併用が標準治療となり,腫瘍随伴症候群と有害事象による筋無力 症の鑑別には注意が必要である.