オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル Onyxによる術前塞栓術を併用した脳動静脈奇形の外科的摘出術
会議名 第40回日本脳卒中の外科学会(STROKE 2011)
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者徳永浩司, 杉生憲志, 菱川朋人, 大熊佑, 伊丹尚多, 小野成紀, 伊達勲
発表年月日 2011/03/24
開催地
(都市, 国名)
京都
概要 【はじめに】脳動静脈奇形(AVM)に対する摘出術の安全性を高めるために接着性が無く長時間
にわたる注入が可能な液体塞栓材料Onyxが認可された。今回我々は異なる塞栓結果を得た最近
のAVM 2 症例の塞栓術および摘出術中のビデオから、Onyxによる塞栓術の有効性と限界、摘
出術の手術手技について検討した。【症例1】偶然発見された40 歳代、男性、S&M grade 3 の
右側頭葉AVM。全身麻酔下にfistulous なfeeder にマイクロカテーテルを誘導しOnyx 34 を注入
開始。まずOnyxはdrainerに流出し線状に固形化したが、流出はリアルタイムには視認できな
かった。注入、休止を繰り返すとカテ先手前にOnyxのplugが形成され、やがてOnyxはnidus
内の未閉塞部分に順次充填され、38 分間で2.8 mlのOnyxを注入、nidusの約6 割を閉塞した。
5 日後に摘出術を施行。Onyx注入部分の圧縮性はやや不良であったが、深部の出血は外科的に
コントロールされ全摘出に至った。【症例2】出血で発症した60 歳代、男性。前医でS&M
grade 3 の右島部AVM と診断され、血腫除去のみ行われ左麻痺を残し当科転入。穿通枝に加え、
transit artery である複数のM2 から多数のfeeder が短い距離でnidus に流入していた。M2 から
分岐するfeeder にOnyx 18 を注入したが有用なplug を形成出来ず、10 分間で0.3 ml 注入し、
nidusの一部と1 本のM2 trunkを閉塞し終了した。3 週間後に摘出術を施行、シルビウス裂全体
を展開し、閉塞したM2 をnidus側につけ多数のfeederを外科的に切離し全摘出した。【結語】
いずれの症例も安全に全摘出が得られ術後経過も良好であった。常に可能とは限らないが塞栓術
中にOnyx のplug を形成することで高い閉塞率が得られ、特に深部feeder が遮断されればより容
易な摘出術が期待できる。