オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 細胞膜透過ドメイン11Rを用いたHO-1蛋白の脳血管攣縮に対する効果
会議名 第28回スパズム・シンポジウム:STROKE2012
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者小川智之, 小野成紀, バンギダニエル, 武玉梅, 道上宏之, 富澤一仁, 松井秀樹, スタイガー ハンス ヤコブ, 伊達勲
発表年月日 2012/04/26
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 [背景]11個の連続したアルギニン(11R)は、最も優れたタンパク透過ドメインの一つであり、あらゆる種類 のタンパク質を細胞内へ直接導入することが出来る。また、ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)は、ヘムの代謝に 関わる律速酵素であり、クモ膜下出血後のヘモグロビンの血管収縮作用を減弱させるといわれている。そこ で我々は、HO-1に11Rを付加した11R-HO-1タンパク質を作成し、ラットを用いて脳血管攣縮に対する治療効果 を調べた。[方法]まず、11R-HO-1タンパク質をラット脳槽内へ注入し、脳底動脈の免疫染色とウェスタンブ ロッティングによって導入効率を検討した。次に、脳底動脈におけるcGMP量を測定し11R-HO-1タンパク質 の脳底動脈におけるHO-1活性を確認した。最後に、ラット自家血二回注入モデルを用いて11R-HO-1タンパク 質の脳血管攣縮に対する治療効果を調べた。[結果]11R-HO-1タンパク質は、脳槽内投与によりラット脳底動 脈に選択的かつ効率よく導入された。また、11R-HO-1タンパク質投与群では、脳底動脈において有意なcGMP の上昇を認め、高いHO-1活性を示した。更には、ラットクモ膜下出血モデルにおいて、脳底動脈血管径が増 大し、脳血管攣縮を減弱させた(317.59±23.48μm(11R-HO-1注入群)versus 270.08±14.66μm(11R-EGFP 注入群), 252.05±13.95μm(生理食塩水注入群), P<0.01)。[結論]11R-HO-1を用いたタンパク質療法は、脳血 管攣縮に対して有効な治療法となり得ると思われた。