ヤマウチ アキラ   Akira Yamauchi
  山内 明
   所属   川崎医科大学  医学部 基礎医学 生化学
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 癌転移抑制を目指した細胞動態解析と創薬
会議名 日本組織培養学会 第95回大会
主催者 日本組織培養学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者山内明,町支臣成, 岡本秀一郎, 片瀬直樹, 山村真弘, 友信奈保子, 木下理恵, 阪口政清, 栗林太
発表年月日 2023/09/01
国名 日本
開催地
(都市, 国名)
岡山、日本
開催期間 2023/08/31~2023/09/01
概要 がんには増殖と転移・浸潤の2つの局面があり、このうち後者はステージ分類や生命予後に大きく影響する。また、既存の抗がん剤は副作用が強く治療を断念せざるを得ないことが多い。がん克服のためにはがん細胞の機能を直接的に制御することが重要であり、また、それを達成する治療薬には毒性が低いことも求められる。そこで我々は細胞動態を可視化・定量する技術をがん細胞の動態解析へ応用し、細胞走化性を抑制するとともに細胞毒性が低い薬剤のスクリーニングを試みた。
細胞動態解析装置TAXIScanは培養細胞から初代継代細胞まで種々の細胞動態をシングルセルレベルで可視化し、動態に関わるパラメーターを定量できる。これまで我々はこの解析方法をヒト膵癌細胞株で評価する系を確立した。この評価系を用いて、種々の化合物と共培養した膵癌細胞株BxPC-3の走化性を評価した(BMC Cancer, 17:234, 2017)。また細胞毒性はWST-1アッセイにて検討した。その結果、細胞毒性が少なく、走化性のみを抑える化合物を複数見出すことに成功した (Biomedicine & Pharmacotherapy 155:113733, 2022)。
これらの一つ化合物14-100 [4-(4-クロロベンゾイル)-5-(4-クロロフェニル)-1-メチルピラゾール]について、動物実験を行った。ヌードマウスにヒト膵癌細胞株BxPC-3を移植・生着した後に、既存の膵癌治療薬gemcitabineと化合物14-100の抗腫瘍効果を比較したところ、gemcitabineと化合物14-100ともに腫瘍増大を抑制した。膵臓への同所移植モデルでは化合物14-100のみ投与、あるいはgemcitabineと化合物14-100を併用した場合、癌転移を抑制した。このとき、体重は薬剤なしの対照グループに比べて減少が観られなかった。
これらのデータより化合物14-100は走化性を抑え、細胞毒性は低いにもかかわらず、動物実験で腫瘍増大と癌転移の両方を抑える効果があることが分かった。現在、化合物14-100の標的分子の同定を行い、腫瘍増殖と細胞動態との関連性を検討している。
researchmap用URL http://jtca.umin.jp/meet/y2023/index.html