ヤマウチ アキラ   Akira Yamauchi
  山内 明
   所属   川崎医科大学  医学部 基礎医学 生化学
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル Nox1は、消化管粘膜損傷の回復に必須の上皮細胞遊走を調節する
会議名 第31回日本生体防御学会学術総会
主催者 日本生体防御学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者宮野 佳、岡本 秀一郎、山内 明、 梶川 瑞穂、川井 千景、栗林 太
発表年月日 2020/09/10
開催地
(都市, 国名)
熊本
概要 活性酸素生成酵素NADPHオキシダーゼ(Nox, NADPH oxidase)は、ファミリーを形成しており、ヒトではNox1〜Nox5、Duox1とDuox2の7種が知られている。消化管上皮細胞に発現するNox1は、活性酸素の一種であるスーパーオキシド(O2-)を生成し、局所における生体防御に関わっている。また、食細胞に発現するNox2から生成されたO2-は、病原体を殺菌する。Nox1のO2-生成活性は、特異的な細胞質活性化タンパク質Noxo1とNoxa1の存在に依存する。Nox2活性もまたNoxa1のホモログであるp67phoxおよびNoxo1のホモログであるp47phoxを必要とする。Nox1とNox2は、似た様な制御システムにより活性化されるが、前者が細胞刺激非依存性に活性を発現するのに対して、後者は細胞刺激に応答して初めて活性化される。今回、我々は刺激非依存性に生成されるNox1由来のO2-の役割を検討した。フリーラジカルスカベンジャーedaravone は、HeLa細胞に外来性に発現させたNox1由来のO2-や、標準品H2O2(O2-が速やかに不均化されて生じる)を効率よく消去した。興味深いことに、Nox1を発現させたHeLa細胞のedaravoneによる前処理(24時間)は、化合物のwashout後に生成されるO2-量を減少させた。一方、Nox2を発現させたHeLa細胞は、edaravoneの前処理を行っても、washout後にO2-量は減少しなかった。これらの結果から、edaravoneが容易にwashoutできること、またNox1の生成物が自身の酵素活性を促進していること示唆する。粘膜損傷の修復における重要な過程である上皮細胞の遊走とNox1の関連が指摘されている。そこで、細胞動態測定装置(TAXIScan)を用いて大腸上皮細胞株(ヒト結腸腺癌; HCT-116細胞)の遊走能に対するedaravoneの前処理の影響を調べた。edaravoneで前処理したHCT-116細胞は、未処理の細胞に比べて、リガンドの濃度勾配に従い、遊走速度が上昇した。またこれと一致して、Nox1のノックダウンや阻害剤DPI処理は、細胞の遊走能を上昇させた。以上の結果より、Nox1活性は、自身の生成物により正のフィードバック調節を受け、増強されたNox1の生成物は、無秩序な細胞遊走を制御するための調節因子として機能していると考えられる。