トモダ コウイチ
Koichi Tomoda
友田 恒一 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 総合内科学1 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 髄膜炎尿閉症候群の1例 |
会議名 | 第121回日本内科学会中国地方会 |
学会区分 | 地方会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎久保公人、山田治来、日比京佑、友田恒一 |
発表年月日 | 2019/10/05 |
開催地 (都市, 国名) |
岡山市, 日本 |
概要 | 無菌性髄膜炎に尿閉や排尿障害が合併することがあり、髄膜炎尿閉症候群(meningitis-retention syndrome:MRS)と呼ばれる。我々は、尿閉を合併した無菌性髄膜炎の1例を経験した。患者は28歳男性。38℃台の発熱、頭痛の後、排尿困難が出現した。抗菌薬レボフロキサシン500mg/日を投与されたが解熱せず、当院を紹介受診した。受診した時点では頭痛は消失していた。血液検査、尿検査、頭部および胸腹部CT検査では、発熱の原因となる異常所見が見られず、精査目的で入院した。入院後も排尿困難が持続し、尿閉となった。無菌性髄膜炎に尿閉が合併した症例報告があることから、髄液検査を施行し、単核球優位の細胞増加を認め、髄膜炎と診断した。単純ヘルペスウイルス性髄膜炎の可能性を考慮し、抗ウイルス薬アシクロビル750mg/日の投与を開始し、解熱を認めた。髄液単純ヘルペスウイルスのPCR検査が陰性と判明したため、アシクロビルの投与を中止した。髄液の細菌培養検査で細菌は検出されなかった。髄液再検にて、細胞数の改善を認めた。髄膜炎の改善に伴って、徐々に自尿が増加し、最終的には完全に自力で排尿が可能な状態に改善した。無菌性髄膜炎に尿閉や排尿障害が合併する場合があることを認識する必要がある。原因不明の尿閉をみた場合は、MRSも念頭に置くべきと考える。 |