オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読なし
表題 塞栓術にて完治せしめた成人pial AVFの1例
掲載誌名 正式名:Neurological Surgery
略  称:Neurol Surg
ISSNコード:03012603/18821251
巻・号・頁 35(6),599-605頁
著者・共著者 伊丹尚多, 杉生憲志, 徳永浩司, 小野成紀, 小野田惠介, 伊達勲
発行年月 2007/06
概要 症例は65歳男性で、突然左上下肢の麻痺が出現し近医脳神経外科を受診、CTにて右側頭頭頂葉皮質下出血とDSAにて右MCA末梢に異常血管を認め、保存的に加療されたが、翌日になり左片麻痺が進行したため開頭血腫除去術が施行された。術中異常血管の確認はできず、術後、左片麻痺は徐々に改善したが3週間後のDSA再検にて異常血管の残存を認めたため血管内治療目的で紹介転院となった。前医初診時CTでは右頭頂部に4×3×3cm大の血腫がみられ、一部側脳室に穿破しており、術前DSAにて眼角動脈末梢に動静脈短絡を認めた。動脈・静脈側共に1本の血管が関与しているのみで瘤の存在は認めないことからpial single-channel AVFと診断した。血管内手術では比較的容易にカテーテルをfistula直前まで到達でき、マイクロカテーテルからの超選択的造影にてpial single-channel AVFが確認され、ラボナール20mg/2cc注入によるprovocation testでは神経症状に変化なく陰性と判定した。同部からDSAコントロール下に30%N-butyl cyanoacrylate(NBCA)注入による塞栓術を施行、術後DSAにてAVFの消失が確認され、術翌日CTでは新たな出血その他異常は認めず、閉塞した血管に沿ってNBCAの円柱が確認された。術後3日目にリハビリテーション目的で転院となり、術後2年半経過の現在、軽度の左片麻痺は遺残するものの日常生活は自立している。