エンドウ シュンジ   Shunji Endo
  遠藤 俊治
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 消化器外科学
   職種   准教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 多発肝膿瘍を伴った下行結腸癌の一切除例
掲載誌名 正式名:日本外科系連合学会誌
ISSNコード:03857883/18829112
掲載区分国内
出版社 日本外科系連合学会
巻・号・頁 42(6),964-971頁
著者・共著者 上田 正射, 池永 雅一, 太田 勝也, 津田 雄二郎, 中島 慎介, 足立 真一, 遠藤 俊治, 山内 周, 千原 剛, 山田 晃正
発行年月 2017/12
概要 われわれは多発肝膿瘍を伴った下行結腸癌の一切除例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は68歳,女性で,前医で多発性肝膿瘍を併発した下行結腸癌と診断され,加療目的で当科へ転院した.腹部造影CT検査で肝両葉に多発する肝膿瘍を認め,肝外側区域には肝転移と鑑別が困難な低濃度結節を認めた.抗菌薬を行いS8の膿瘍腔に対し経皮経肝膿瘍ドレナージ,外側区域の結節より生検を施行した.生検では悪性所見は認めなかった.炎症所見が改善した後,当科初診から57日目に,腹腔鏡下結腸部分切除術(下行結腸)を施行した.病理組織所見はD,Type 1,25×20mm,tub2,pT3,pN0,sH0,sM0,sPUL0,PN0,ly1,v1,pStage IIであった.術後経過は問題なく術後10日目に退院した.術後6ヵ月目の腹部造影CT検査で肝膿瘍は消失したが,肝S8に転移を認め,現在化学療法施行中である.多発性肝膿瘍を併発した大腸癌は,原発巣切除により肝膿瘍の改善が見込まれることから,肝転移との鑑別を厳重に検討した上で,炎症所見を改善させた後,原発巣切除を行うべきである.(著者抄録)
文献番号 2018081397