キムラ トモミ   Tomomi Kimura
  木村 知己
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 形成外科学
   職種   講師
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 上眼瞼腫瘤にて診断されたIgG4関連疾患の1例
掲載誌名 正式名:日本形成外科学会会誌
略  称:日形誌
巻・号・頁 32(1),21-25頁
著者・共著者 木村 知己, 太田 茂男
発行年月 2012/01
概要 74歳男。10年前から頸部リンパ節腫脹を繰返し、リンパ節炎の診断され、口腔外科で4回の摘出術を受けていた。3ヵ月前から右上眼瞼腫瘤を自覚し、当科紹介となった。右上眼瞼皮下に10mm大の弾性硬、類円形の腫瘤を触知した。顎下、頸部にリンパ節は触知しなかった。涙腺腫瘍を疑って切除生検を施行し、腫瘤摘出を試みたが、腫瘤は眼窩内深部に連続しており、全摘出は不可能であった。胸腹部CTで両側腎臓に多発性造影欠損領域を認め、間質性腎炎を疑った。病理組織診で、胚中心を伴うリンパ濾胞と小葉間の組織化を認めた。濾胞間には形質細胞の浸潤を認め、形質細胞の80%は抗IgG4モノクロナール抗体染色陽性であった。血液・生化学検査で血清IgG、IgG4の著明な高値を、尿検査で推算糸球体濾過量の低下を認め、IgG4関連Mikulicz病およびIgG4関連間質性腎炎と診断した。プレドニゾロン投与により症状は著明に改善した。