ナカタ マサオ   Masao Nakata
  中田 昌男
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 呼吸器外科学
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル pII/IIIA NSCLCに対するUFT/TS1による術後補助化学療法の可能性
会議名 第34回日本呼吸器外科学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎最相晋輔, 野島雄史, 前田愛, 沖田理貴, 清水克彦, 中田昌男
発表年月日 2017/05/18
開催地
(都市, 国名)
福岡県博多市
概要 背景:pII/IIIA NSCLCに対するプラチナ併用療法(platinum-doublet chemotherapy;PDC)による術後補助化学療法(adjuvant chemotherapy;ACT)は標準治療とされるが,2006年以降の実態調査(JJLC. 2010,JJLC. 2015)ではACT施行率は50-60%で,そのうち標準レジメン(VNR/CDDP)は20%余に止まる.一方,UFT/TS1はpIIで16.9-32.9%,pIIIAで9.1-11.6%に使用され,WJOG4107やSLCG0401ではPDCと同等の成績が示されている.
目的:pII/IIIA NSCLCに対するUFT/TS1によるACTの意義を,PDCおよびACT未施行と比較検討する.
対象:2005/1-2015/8に肺葉切除(ND2a-1)以上の根治手術が施行されたpII/IIIA NSCLC;PDC 49例(CDDP/CBDCA=14/35),UFT/TS1 27例(UFT/TS1=21/6),未施行48例.
方法:ACTの有無・レジメン別に臨床病理学的因子と予後を後方視的に解析した.全生存率(OS)・無再発生存率(RFS)はKaplan- Meier法を用いて算出,log-rank検定により比較した
結果:背景因子比較では,PDCはpIIIAが多く,UFT/TS1は高齢・併存疾患を有する症例が多いが.PS・性別・喫煙・組織型・pT/pN-status等は両群で差がなかった.ACT未施行はPS不良・高齢・併存疾患を有する等の症例が多かった.術後観察期間中央値37.2ヵ月で,2年RFSはUFT/TS1 54.9%,PDC 48.7%(vs. UFT/TS1, p=0.81),ACT未施行 35.2%(同, p<0.01)であった.pII(PDC 19例,UFT/TS1 19例)の2年RFSは各々57.9%,73.0%(p=0.78),5年OSは74.0%,66.9%(p=0.63)で差はなかった.
考察:症例数の少ない後方視的研究でCDDP併用療法が少ない等の問題があるが,PDC困難なpII NSCLCに対するACTの選択肢としてUFT/TS1の有用性を示唆する結果であった.