ナカタ マサオ   Masao Nakata
  中田 昌男
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 呼吸器外科学
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 局所進行非小細胞肺癌に対する術前導入療法後の手術症例の検討
会議名 第67回 日本胸部外科学会定期学術集会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎最相晋輔, 前田愛, 湯川拓郎, 沖田理貴, 清水克彦, 中田昌男
発表年月日 2014/10/01
開催地
(都市, 国名)
福岡県福岡市
概要 【対象】2005年1月~2014年3月に術前導入療法後に手術を施行した臨床病期III期NSCLC 16例(男性 14例、女性 2例、年齢54~75歳(中央値 67.0歳))を対象とした。cT1a-3N2 11例(全例治療前にpN2を確認)、cT4N0-1 5例で、組織型は扁平上皮癌 9例、腺癌 4例、その他 3例。術前導入療法は化学放射線療法 6例、化学療法 10例で、うち5例に術後放射線療法(PORT)を行った。【結果】術前化学療法のレジメンはCDDP-based 14例、CBDCA-based 2例で、放射線治療は術前照射 6例(40~48 Gy)、PORT 5例(50~70 Gy)、また術後補助化学療法を8例に行った。RECISTによる術前導入療法の効果判定はPR 11例、SD 5例であった。術式は肺全摘 2例、二肺葉切除 1例、肺葉切除 13例(肺動脈形成 3例、気管支形成 1例)でR0切除が14例、手術合併症 37.5 %・手術関連死亡 0 %であった。組織学的効果判定(Ef)はEf.1a/1b/2/3=5/2/7/2で、down stage 5例(31.3 %)であった。平均観察期間 29.9ヶ月で、3年全生存率・無再発生存率は各々55.6 %・42.3 %であった。化学療法を術前・術後で計4コース以上施行した症例やpN0-1およびsingle station pN2の症例で予後良好な傾向がみられたが、術前導入療法の治療効果やEfで予後に差はなかった。胸腔内再発を5例に認めたが(3年局所制御率 55.0 %)、R1切除2例も含めて50 Gy以上の放射線照射を行った5例に胸腔内再発はなかった。また、原病死5例中2例は脳転移のみの再発であった。【考察】術前導入療法後の手術は術後合併症が高率でハイリスクであるが,その安全性は許容されるものであった。長期予後の観察・検討が必要であるが、術前・術後でfull doseの化学療法を行うことが重要と思われ、治療完遂例では脳転移の制御も問題となる。また、局所制御の観点からは根治的照射に近い高線量の放射線照射が望まれ、術前導入化学療法、手術、術後補助化学療法、およびPORTという治療戦略も選択しうる。