タケウチ マサキ   Takeuchi Masaki
  竹内 雅貴
   所属   川崎医療福祉大学  医療技術学部 臨床検査学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル 脊椎動物における初期発生システムの多様性 ―原始的条鰭類ポリプテルスの知見から考察する―
会議名 日本発生生物学会 秋季シンポジウム2011
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(その他)
発表者・共同発表者◎竹内雅貴
発表年月日 2011/12/19
開催地
(都市, 国名)
岡崎市
概要 脊椎動物の初期発生過程は、ボディプランを確立する重要な発生段階であるにも拘らず、全割/盤割の卵割様式や胚体外組織の有無、原腸形成時の組織配置など形態的に多様である。この多様性の根幹を成す初期発生様式は両生類様であると広く考えられてきた。なぜなら、基本的に両生類胚は原索動物胚と同様で、胚体外組織を持たず、全割により生じたすべての割球から三胚葉を形成するためである。一方、両生類胚における胚葉形成や体軸形成の分子機構には、母性に供給されるT-box転写因子VegTの機能や、母性Wntシグナルのターゲットであるhomeobox転写因子siamoisの機能など、その重要性にも拘らず他の脊椎動物でみられないシステムが存在する。
本発表では以上の点に注目しながら、条鰭類系統初期に分岐した硬骨魚:ポリプテルスの胚発生を紹介する。ポリプテルス胚は全割で発生し、両生類と非常によく似た様相を示す。しかしながら両生類胚とは異なり、VegT相同遺伝子は母性に発現せず、植物極側割球は内胚葉へ分化しない胚体外細胞集団となる。また、ツメガエル胚への過剰発現で完全二次軸を誘導できる因子として、ポリプテルスのsiamois関連遺伝子を単離し、機能解析を行っている。これらの解析結果をもとに、脊椎動物の初期発生とその分子機構の多様性を系統的に検証し、新たな視点を提案したい。