ハヤシ ヤスコ   Kobayashi Yasuko
  林 泰子
   所属   川崎医療福祉大学  リハビリテーション学部 視能療法学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 角膜の菲薄化と実質深層の混濁によりDescemet膜前角膜ジストロフィが疑われた1例
会議名 角膜カンファランス2018
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎林泰子, 近間泰一郎, 木内良明
発表年月日 2018/02/15
開催地
(都市, 国名)
広島県
概要 目的:角膜全体の菲薄化と実質深層にびまん性の混濁がみられた角膜屈折力が弱い非典型的な円錐角膜の1例を経験したので報告する。
症例:18歳男性。2017年上旬から視力低下を自覚し、近医で左)円錐角膜と両)実質深層のびまん性混濁を指摘され、当科を紹介され受診した。既往歴、家族歴には特記すべきことはなかった。前眼部は、両眼の角膜周辺部の血管侵入と実質深層から内皮面にびまん性の混濁がみられた。矯正視力は両眼(1.2)、角膜内皮細胞密度は右2,736個/㎟、左2,708個/㎟で角膜後面沈着物や内皮面の不整はなかった。前眼部OCTは中心角膜厚が両387㎛で、左眼の角膜中央部からやや下方に軽度の突出がみられたが、平均角膜屈折力は右39.2D、左42.0Dであった。レーザー生体共焦点顕微鏡(HRTⅢ-RCM®)では、デスメ膜直上の実質深層の輝度が高かった。
結論:本症例は、両眼に角膜全体の菲薄化と実質深層にびまん性の混濁がみられたがHRTⅢ-RCM®では実質深層が高輝度であったのみで、不整な細胞や顆粒状物質などがなかった。また、角膜は軽度突出していたが、角膜屈折力は弱かった。実質深層の混濁や円錐角膜を合併する疾患としてデスメ膜前角膜ジストロフィがあるが、実質深層に細粒上の高輝度物質がみられず、角膜屈折力が弱かったことから非典型的な円錐角膜であるといえる。今後は、他の疾患との関連についてもさらに検討する。