オバマ ナオヤ   Naoya Obama
  小浜 尚也
   所属   川崎医療福祉大学  リハビリテーション学部 言語聴覚療法学科
   職種   講師
言語種別 日本語
発表タイトル 聴覚性注意における性差の検討:ボトムアップ注意における音響特性の役割
会議名 第49回日本高次脳機能学会学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者小浜尚也, 佐藤良樹, 兒玉成博, 小谷優平, 中村克哉, 横関彩佳, 永見慎輔
発表年月日 2025/11
国名 日本
開催地
(都市, 国名)
愛知
開催期間 2025/11/14~2025/11/15
概要 【背景】いくつかの認知機能には性差が関連しているとされているが、聴覚的注意と性別との関係は明らかではない。本研究では、ボトムアップ型の聴覚的注意に注目しつつ、聴覚的顕著性の判断における性差を検討することを目的とした。【方法】平均年齢21.5歳(±0.64)の健常成人45名(聴力、知能、注意機能に問題のない者)を対象とした。防音室内で5つの音声クリップを聴取し、注意を引く音(顕著音)にボタン押し反応する課題を実施した。各クリップには、自然音の中にランダムに配置された10個の顕著音が含まれていた。反応回数を従属変数、性別を被験者間要因、各音の持続時間・最大音量・最大周波数スペクトルを被験者内要因、音事象と被験者を変量効果とした一般化線形混合モデル(GLMM)で解析を行った。【結果】男女間で年齢、聴力閾値、知的機能、注意機能に有意差はなかった(全てp > 0.05)。77種類の顕著音イベントが確認され、各音に対する反応率は4.0~100%と個人差が見られた。GLMM解析の結果、性別の主効果は有意ではなかった(p=0.458)。一方で、音の持続時間およびスペクトルは反応率に有意な影響を及ぼしていた(それぞれp=0.006、p < 0.001)。音量の効果は有意ではなかった(p=0.13)。【結論】本研究では、検討した音響特性に基づく聴覚的顕著性判断において、男女間に有意な差は認められなかった。この結果は、ボトムアップ型の聴覚的注意における本質的な性差の存在に疑問を投げかけるものであり、他の要因や条件下での性差出現の可能性について、さらなる検討が必要であることを示唆する。