ヤマウチ アキラ
Akira Yamauchi
山内 明 所属 川崎医科大学 医学部 基礎医学 生化学 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | ニボルマブ治療奏効時の悪性胸膜中皮腫症例に観察されたNK細胞における特徴的遺伝子発現動態の実験的検証 |
会議名 | 第5回日本石綿・中皮腫学会学術集会 |
主催者 | 日本石綿・中皮腫学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | 西村泰光,山内明,亀崎彩紗,上月稔幸,藤本伸一,伊藤達男 |
発表年月日 | 2024/09/28 |
開催地 (都市, 国名) |
岡山 |
開催期間 | 2024/09/28~2024/09/29 |
概要 | 我々は、ニボルマブ(抗PD-1抗体薬)治療前後の悪性胸膜中皮腫患者の免疫機能解析を行い、部分奏効(PR)症例において特徴的な末梢血NK細胞中のNKp46発現量の増加および相反するPD-1(PDCD1)発現量の低下を確認した。そこでヒトNK細胞株NK-92を用いた細胞培養実験により基礎的検討を行った。T細胞より産生されNK細胞の増殖・活性化に働くIL-2の濃度条件を変えてNK-92細胞を3日間培養しRT-qPCRにより遺伝子発現量変動を調べた。NKp46, IFN-γ, Granzyme B mRNAレベルはIL-2濃度増加に伴い有意な増加を示し、逆にPDCD-1 mRNAはIL-2濃度低下に伴い有意に増加した。PDCD1 mRNAレベルはNKp46, Granzyme B, IFN-γ mRNAと有意に負に相関し、NKp46, Granzyme B, IFN-γmRNAは相互に有意な正の相関性を示し、遺伝子発現動態はPR症例のNK細胞と酷似した。同様に、マクロファージ/樹状細胞より産生されNK細胞活性化に働くIL-15刺激下での培養実験においても類似の結果が確認された。以上の結果は、PDCD1発現量低下に相反するNKp46発現量の増加がNK細胞機能亢進を表すことを示す。ニボルマブ治療後のPR症例におけるNK細胞機能の回復が示唆される。 |