スギヤマ ヒロキ
Hiroki Sugiyama
杉山 浩樹 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 呼吸器外科学 職種 臨床助教3年 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 切除可能な局所進行非小細胞肺癌に対する治療戦略を考える ~術前導入療法か?,術後補助療法か? ~ |
会議名 | 第124回日本外科学会定期学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎最相晋輔, 杉山浩樹, 松谷隆志, 野島雄史, 清水克彦, 中田昌男 |
発表年月日 | 2024/04/20 |
開催地 (都市, 国名) |
愛知県常滑市 |
開催期間 | 2024/04/18~2024/04/20 |
概要 | 背景:EGFR-TKIやICIが周術期治療に導入されるようになり,切除可能な局所進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対して,手術を行い術後病理病期とEGFR・PD-L1発現に応じて術後補助療法を行うか,または術前導入療法後に手術を行うか,治療戦略の再構築が急務とされる.
目的:cII~IIIA期NSCLCの治療成績から周術期治療の現状と課題を後方視的に検討する. 対象:2005/1~2023/8に根治手術(肺葉切除以上)を行ったcII~IIIA期(TNM 7th)NSCLC 112例(男性91例,女性21例,年齢中央値72.0歳)で,infiltrativeN2やmultiple N2,および術前化学放射線療法例は除く. 結果:術前導入化学療法(neo-adjuvant chemotherapy; NAC)19例(16.9%),術後補助化学療法(adjuvant chemotherapy; AC)44例(39.3%),手術単独49例(43.8%)で,観察期間中央値41.8か月,5年全生存率(OS)・無再発生存率(RFS)は各々72.2%・60.8%,58.2%・43.1%,48.1%・34.1%であった.NAC群とAC群の比較では,非腺癌(13例(68.4%)vs. 16例(36.4%)),腫瘍径が大きい(47.6±19.8mm vs. 39.2±15.5mm),肺全摘を要する(11例(57.9%)vs. 0例(0%))がNAC群で多いが,リンパ節転移の有無やその他臨床病期学的因子に差はなかった.NACの治療レジメンはプラチナ併用療法18例,ICI 1例で,pCRは2例(10.5%)のみであったが,9例(47.4%)で術後5年以上の無再発生存が得られている.Propensity score-weighted analysisを用いて抽出したNAC・AC各群14例の比較では,5年RFSはNAC群62.5%,AC群50.0%であった. 考察:腫瘍径が大きい,葉間リンパ節転移等のため肺全摘を要する非腺癌等の予後不良とされる症例に限定してNACが選択され,AC症例と同等以上の予後が得られている.ICI併用レジメンの導入によりNACの適応拡大と予後改善が期待される.一方,NAC群の約半数が術後5年以上の無再発生存が得られており,ICI併用レジメンの症例選択は慎重に行うべきである. |