ヤマウチ アキラ   Akira Yamauchi
  山内 明
   所属   川崎医科大学  医学部 基礎医学 生化学
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 香料化合物Methyl dihydrojasmonateによる抗疲労効果の評価 
~ラット疲労実験モデルを用いて~
会議名 日本睡眠学会第47回定期学術集会
主催者 日本睡眠学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者山内明、西村泰光、野見山謙太、岡本秀一郎、五十嵐美香、栗林太
発表年月日 2022/06/30
開催地
(都市, 国名)
京都、日本
概要 【背景】睡眠障害による疲労を客観的に定量することは重要である。香料にはリラックス効果があるものが知られるが実験的検証例は少ない。今回我々は、ラット疲労実験モデルを用いて、疲労の各種指標(自律神経、酸化ストレス、サイトカイン)を測定し、香料Methyl dihydrojasmonate (MDJ)の抗疲労効果の検証を試みた。
【方法】ラット疲労モデルとして水浸負荷(深さ1.5 cm水上で飼育)を用い、飼育中に香料MDJまたは陽性対照linaloolを暴露した。負荷後24時間の体重、食餌量、飲水量を調べ、麻酔下心臓採血後に白血球中サイトカインmRNA量、血清サイトカイン濃度、血漿カテコールアミン濃度、および酸化ストレス・抗酸化力指標(血清d-ROMs・BAP)を測定した。
【結果】香料MDJ曝露により、水浸負荷による体重の低下、増加した酸化ストレス指標d-ROMs値、および増加した血漿ドーパミン濃度は有意に抑制された。負荷により血清中の炎症性サイトカインIL-1β, IL-10濃度は増加傾向を示し、他方でIL-2, IL-17A、IL-5濃度は減少したが、MDJ曝露によりそれらは改善された。負荷により白血球中IL-1β,TNF-α mRNA量は増加傾向を示したが、MDJ曝露により抑制された。主成分分析では、第1成分(PC1, 寄与率47.865%)に対してドーパミン, d-ROM, BAP, 白血球中IL-1β, TNF-α mRNA量, 血清中IL-1β, IL-10濃度は正に寄与し、IL-2, IL-5, IL-17Aは負の寄与を示した。PC1スコアは水浸負荷で有意に増加したが、香料MDJ曝露により有意に抑制された。
【結論】水浸負荷による疲労状態にあるラットでは体重・免疫機能指標の低下、酸化ストレス指標・炎症指標の増加を呈した。これらは香料MDJの曝露により改善された。