ノムラ ツネヒサ
Tsunehisa Nomura
野村 長久 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 乳腺甲状腺外科学 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | マンモグラフィ読影のコツ! |
会議名 | 第34回日本女性医学学会学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 特別講演・招待講演など |
発表者・共同発表者 | ◎野村長久 |
発表年月日 | 2019/11/03 |
開催地 (都市, 国名) |
福岡市 |
概要 | マンモグラフィの読影は検診のみならず臨床の上でも非常に大切な診断技術である。
画像診断の中でもマンモグラフィ読影は、より感覚的な判断にゆだねられている要素が大きく、 それゆえ、検診マンモグラフィ読影医師の認定を受けるための新規試験や更新試験でも、良い成績が得られるとは言い難い。読影試験も合格といわれるB評価は、感度、特異度とも80%以上正答する必要があり、A評価に至っては感度90%、特異度92%以上(特異度は90%に変更予定)で、特異度に関しては症例単位での採点となり、従来に比べ試験の難易度はあがった。 しかし、読影にはいくつか大切なポイントが存在する。その点を考慮し正しい読影を継続すれば、精度の高い読影が可能となると考えている。 まず、石灰化症例は見落とさないこと、形状・分布を正しく評価することが大切であり、石灰化を認知できれば診断はそれほど難しくない。しかし、読影環境が劣悪であったり、適切なモニター捜査(特に拡大)を行わないなどの手抜きをした場合、石灰化は容易に見落とす結果となりうる。 局所的非対称性陰影(Focal asymmetry density; FAD)は存在の有無そのものを評価しなければならず、非常に難易度が高い。FADは内部構造や関心領域の辺縁を客観的に読影していくことや付随する所見に気が付くなどが必要である。読影精度があがれば、FADではなく腫瘤として認識できるようになったり、逆に正常乳腺であると認識出来たりできるようになる。構築の乱れに関しては、Densityがあまり描出されず、画像上の歪みを感知できるかどうかが読影に必要である。特にマンモグラフィ初心者は構築の乱れを意識しすぎるあまり、正常例でも異常所見として読影してしまう。重要な所見であるためやはり難易度が高い。 マンモグラフィは乳腺や腫瘤以外にもクーパー靭帯、血管、リンパ節などが一枚の画像に描出されている。さらに、ポジショニング、圧迫乳房厚や放射線線量などの相違によって画像の仕上がりが異なってくる。 各種所見について例題をあげ、読影する際に意識することや注意することを提示し、読影のコツをつかんでいただければ幸いである。 |