ヤマウチ アキラ
Akira Yamauchi
山内 明 所属 川崎医科大学 医学部 基礎医学 生化学 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 何が最初に癌転移を惹起しているのかを解明する |
会議名 | 第10回川崎医学会学術集会 |
学会区分 | 地方会 |
発表形式 | ポスター掲示 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | 山内明、岡本秀一郎 、山村真弘、上野富雄 、栗林太 |
発表年月日 | 2019/08/03 |
開催地 (都市, 国名) |
倉敷 |
概要 | 癌転移は予後に直接関わり、“リンパ向性転移”は早期から起こり病期分類や治療方針に影響を及ぼす。転移は血行性、リンパ行性および直接浸潤で起こるとされ、サイトカインをはじめ多くの分子が関与する。その中で我々は炎症組織で産生されるS100タンパク質群に注目し、S100タンパク質が転移先で癌細胞を惹き寄せることを明らかにしてきた。しかし原発巣からリンパ組織に侵入する段階“リンパ向性転移”におけるリンパ起始部での癌細胞の侵入機構は多くが不明であり、癌細胞のリンパ向性転移はリンパ流によるドレナージ効果によるものか、それともリンパ組織と癌細胞の相互作用なのかは不明である。我々はこの問いに対して、リンパ向性転移に作用する分子を同定し、癌細胞がリンパ起始部に侵入する機序を解明することを目指している。
まず、リンパ起始部を形成するリンパ内皮細胞が癌細胞を惹き寄せているかどうかを検証したところ、ヒト皮膚由来リンパ内皮細胞HDLECが膵癌細胞株BxPC3の走化性を惹起する現象を見出した。さらにS100タンパク質とHDLECを共培養すると、BxPC3細胞のHDLECへの走化性が亢進することを見出した。次に、S100タンパク質刺激後のHDLECにおけるトランスクリプトームの網羅的解析を行った。本報告ではこれらの探索の結果を報告し、S100タンパク質刺激によるリンパ向性転移惹起因子について述べ、議論したい。 |