サイショウ シンスケ
Shinsuke Saisho
最相 晋輔 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 呼吸器外科学 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 非小細胞肺癌切除後の経過観察に関する検討 ~スクリーニングのIntensivenessやModalityが予後に及ぼす影響~ |
会議名 | 第57回日本肺癌学会総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎最相晋輔, 野島雄史, 前田愛, 沖田理貴, 清水克彦, 中田昌男 |
発表年月日 | 2016/12/20 |
開催地 (都市, 国名) |
福岡県博多市 |
概要 | 背景:NSCLC根治切除後の経過観察に関する科学的根拠は乏しい.肺癌診療ガイドラインでは定期的な経過観察がグレードBとされるが,スクリーニングのスケジュールは示されていない.海外では術後2年間は半年毎,その後1年毎のCTという比較的intensiveなスクリーニングが推奨されている.目的:NSCLC術後スクリーニングが予後に及ぼす影響を明らかにする.対象:2007/1-2014/12のNSCLC切除例で,術後経過観察が行えた315例(AIS・MIAや消極的縮小切除を除く).方法:後方視的検討.
結果:患者背景は以下の通り;男性/女性=196/119,年齢中央値69.0歳(37-88歳),腺癌/扁平上皮癌/他=226/64/25,pIA/pIB/pII/pIII=122/85/48/60.術後3.2-111.6ヶ月間の経過観察期間に1,205回(CT 853回/276例,PET 352回/163例)のスクリーニングが行われた.ガイドラインに準じたintensiveなfollow(平均7.3ヶ月毎)が161例,non-intensiveなfollow(平均12.4ヶ月毎)が140例,初回スクリーニング前の再発が14例であった.術後再発95例中40例がスクリーニングCTまたはPETで診断され,intensive群23例(4.84/100人・年),non-intensive群17例(3.98/100人・年)であった.スクリーニングの間隔(5年生存率;intensive群71.4%,non-intensive群76.4%;p=0.073)やPETの有無(PET有77.9%,PET無67.6%;p=0.540)で予後に有意差はなかった.pN(+)ではPETを用いたスクリーニングを行った症例は予後良好であった(p=0.018).考察:術後intensiveなスクリーニングにより再発診断率が僅かに高まるが,予後改善効果はなく,またPETの有用性も限定的であった.適切なスクリーニングの構築には費用対効果も含めた検討が必要である. |