サイショウ シンスケ
Shinsuke Saisho
最相 晋輔 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 呼吸器外科学 職種 講師 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 循環器疾患を有する原発性肺癌根治手術における周術期管理
~周術期抗血栓療法の安全性に関する検討~ |
会議名 | 第116回日本外科学会定期学術集会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | シンポジウム・ワークショップ パネル(公募) |
発表者・共同発表者 | ◎最相晋輔, 野島雄史, 前田愛, 沖田理貴, 清水克彦, 中田昌男 |
発表年月日 | 2016/04/15 |
開催地 (都市, 国名) |
大阪府大阪市 |
概要 | 背景:IHDやASO,Af,脳梗塞等の抗血栓療法を要する循環器疾患合併症例の肺癌根治手術では周術期管理が問題となる。『循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(JCS2009)』にその指針が示されているが,出血・血栓塞栓リスク等詳細な検討はない。当院では抗凝固療法はヘパリン置換,抗血小板療法は継続(手術当日休薬)して,循環器疾患非合併例と同等の手術の安全性を報告した(第66回日本胸部外科学会学術集会)。近年,Rivaroxaban,Edoxaban,Apixaban等の新規抗凝固薬が臨床使用され,その周術期管理はさらに複雑化している。
目的:循環器疾患合併肺癌の周術期抗血栓療法について,抗血栓療法別の術後経過や問題点を明らかにする。 対象:2008/4-2014/9に施行した区域切除以上の肺癌根治手術354例。 方法:抗血栓療法を要する循環器疾患合併67例を周術期管理により分類(抗血小板療法25例;A群,抗凝固療法・ヘパリン置換あり18例;B群,抗凝固療法・ヘパリン置換なし19例;C群,ヘパリン置換・抗血小板療法併用 5例;D群),循環器疾患非合併287例(E群)を含め,後方視的に比較検討する. 結果:A・B群は全例JCS2009で抗血栓療法が推奨(クラスI)される循環器疾患を合併(A群;動脈硬化性疾患,B群;心房細動12例,血行再建術後7例),男性が多く,高齢で喫煙率が高い傾向にあった。アプローチや皮膚切開,胸腔内癒着の有無,手術時間,出血量,胸腔ドレーン留置期間,術後在院日数は各群間で差はなかった。術後合併症はA/B/C/D/E群=40%/28%/21%/40%/27%で,A群で肺瘻遷延が多くみられた。出血性・血栓性合併症はA群1例(術後血胸),B群1例(術後血胸),C・D群なし,E群5例(術後血胸4例,肺塞栓1例)で,手術関連死亡はなかった。 考察:循環器疾患合併肺癌に対して,症例毎に適切な周術期抗血栓療法を行うことにより,循環器疾患非合併例と比較して同等に安全な周術期管理が可能である。 |