オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 様々な頭蓋底腫瘍に対してどのような神経内視鏡をどのように使用するのが最善か?:現状での機器と腫瘍の関係性
会議名 一般社団法人日本脳神経外科学会 第72回学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小野成紀, 亀田雅博, 黒住和彦, 市川智継, 伊達勲
発表年月日 2013/10/16
開催地
(都市, 国名)
横浜(パシフィコ横浜)
概要 はじめに
近年、神経内視鏡はその適応範囲を広げ、鼻・副鼻腔腫瘍の頭蓋内浸潤症例に対する残存腫瘍
の確認、頭蓋内外からの顕微鏡と内視鏡の同時手術をはじめとするトルコ鞍近傍腫瘍に対する
アプローチには神経内視鏡を積極的に用いるようになった。しかし、頭蓋底疾患に対する内視
鏡の使い分けについては原疾患や施設ごとの内視鏡の保有状況や術者の「なれ」によるのが現
状と思われる。今回我々は、神経内視鏡をどのような頭蓋底疾患に、どの程度、どのように使
用しているかについて、自験例を中心に検討したので報告する。
方法と結果
症例は10年間で当科および前任地の岡山大学病院において経験した頭蓋底浸潤を伴う鼻・副鼻
腔腫瘍、トルコ鞍近傍腫瘍、あるいは小脳橋角部腫瘍などの頭蓋底腫瘍のうち神経内視鏡を使
用した約200例。鼻・副鼻腔腫瘍に対しては主に鼻腔側からの残存腫瘍の検索や頭蓋底の骨き
り線の確認などに使用した。トルコ鞍近傍腫瘍では、特に経蝶形骨洞手術において最近では内
視鏡単独手術に移行し、巨大下垂体腺腫などでは頭蓋内外から顕微鏡と内視鏡を併用した摘出
も試みるようになった。また、エンドアームの採用によって、比較的手軽に自由度の高い内視
鏡固定が可能になり、画像のハイビジョン化により解剖学的構築の把握が短時間に容易に出来
るようになった。また、脳室近傍腫瘍には残存腫瘍の確認や摘出自体においても顕微鏡術野と
異なった視野からの観察により摘出率が向上した。
考察と結語
ここ数年来、頭蓋底外科における神経内視鏡の使用は格段に多くなっているが特殊な神経内視
鏡機器の開発が盛んに行われるようになり、顕微鏡とのコラボレーションが盛んに行われるよ
うになり、その棲み分けについても次第に曖昧になりつつある。そのような中で、現状の頭蓋
底腫瘍ごとの神経内視鏡の応用方法も次第に確立されつつあると考えられた。