オノ シゲキ
Shigeki Ono
小野 成紀 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 脳神経外科学2 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術後に出現する発熱、頭痛、消化器症状の検討─"post coiling syndrome"の検討─ |
会議名 | 第36回日本脳卒中学会総会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | 大熊佑, 杉生憲志, 伊丹尚多, 菱川朋人, 小野成紀, 徳永浩司, 伊達勲 |
発表年月日 | 2011/03/25 |
開催地 (都市, 国名) |
京都 |
概要 | 【目的】未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術後に時に原因不明の発熱、頭痛、消化器症状を認
めることがある。今回この症状をpost coiling syndrome(PCS) と名づけ、PCS の発生予測因子を 検討した。【方法】2008 年6 月~2010 年4 月に当院で未破裂動脈瘤コイル塞栓術を行った36 例 を対象とした。患者背景因子(年齢、性別、体重、高血圧、糖尿病、高脂血症、 喫煙歴、家族歴)、 動脈瘤関連因子(最大径、neck 長、動脈瘤の体積、Balloon-assisted technique 有無、 全coil 長、 bioactive coil 有無、コイル充填率)、炎症関連因子(術前WBC、術前CRP、術後WBC、術後 CRP)、のそれぞれ項目をretrospective に検討した。Post coiling syndrome の判定は、術後24 から48 時間以内の最強点で判断し、頭痛、消化器症状、体温をscoringし、Cut point以上を Post coiling syndrome と判定した。【結果】男性12 例、女性24 例で、年齢62 ± 15 歳、動脈瘤径: 7.5 ± 3.8mmであった。全例全身麻酔下で瘤内塞栓術を施行した。PCSと判定されたのは、男性 3 例、女性8 例の計11 例であった。PCS群と非PCS群との間で、患者背景因子では年齢で、動 脈瘤関連因子では動脈瘤最大径、動脈瘤体積、全コイル長、コイル充填率で、それぞれ有意差を 認めた。また炎症関連因子では術後白血球数で有意差を認めた一方で、術前白血球数、術前後 CRP では有意差を認めなかった。【結論】PCS は年齢、動脈瘤最大径、動脈瘤体積、全コイル長、 コイル充填率が発生予測因子となった。機序としてはコイルに対する生体反応や免疫反応惹起な どが機序にかかわると考えられるが、さらなる検討が必要である。 |