オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 頚動脈ステント留置術におけるdebrisの組織学的評価
会議名 第27回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者伊丹尚多, 菱川朋人, 大熊佑, 眞鍋博明, 小野成紀, 徳永浩司, 杉生憲志, 伊達勲
発表年月日 2011/11
開催地
(都市, 国名)
千葉
学会抄録 脳神経血管内治療 5(4),171 2011
概要 【はじめに】近年,CASの普及とともにCASハイリスク例としてプラークの不安定性が指摘されている.頚動脈内膜剥離術(CEA)で採取されるプラークについてはこれまでに病理組織学的検討や術前画像との対比が多数なされてきたが,CASでは未だ少ない.我々は遠位脳保護下のCASにおいてdebrisを採取し,組織学的に検討した.
【方法】CASを施行した内頚動脈狭窄症患者16例でdebrisを採取した.16例中8例ではballoon protection(BP),他8例でfilter protection(FP)を行った.BPではステント留置直後にballoon直下の血液を吸引採取し,10%ホルマリン液で固定後,パラフィン包埋し標本をHE染色,FPではfilter回収後にfilterごとHE染色し顕微鏡で観察し,採取したdebrisの組織所見とMRI画像との対比を行った.
【結果】BP8例,FP8例で手技に伴う合併症はみられなかった.標本中には多数の微細なdebrisが観察され,これらは血管内皮の断片や粥腫内容物,血小板血栓等に分類できた.安定プラークと診断された症例では血小板血栓や無構造のdebrisが主であったが,不安定プラーク症例では,それらに加えて血管内皮組織や粥腫内容物の破片が観察された.組織片や粥腫内容物はBP例で比較的多く確認できた.
【結語】lCASで採取したdebrisの組織学的所見から,MRIプラーク診断の有用性が示唆された.この結果から,術前診断に基づく適切なprotection device選択による安全なCASが期待される.