オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術後に出現する発熱、頭痛、消化器症状"post coiling syndrome"の検討
会議名 第27回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者大熊佑, 杉生憲志, 伊丹尚多, 菱川朋人, 小野成紀, 徳永浩司, 伊達勲
発表年月日 2011/11
開催地
(都市, 国名)
千葉
学会抄録 脳神経血管内治療 5(4),301 2011
概要 【目的】未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術後に時に原因不明の発熱,頭痛,消化器症状を認めることがある.今回この症状をpost coiling syndrome(PCS)と名づけ,PCSを検討した.
【方法】1)2008年6月~2010年4月に当院で未破裂動脈瘤コイル塞栓術を行った36例をretrospectiveに検討した.患者背景因子,動脈瘤関連因子,炎症関連因子をそれぞれ検討した.頭痛,消化器症状,体温をscoringし,Cut point以上をPCSと判定した.2)2010年5月~2011年1月に当院で行った20例を対象とした.ファモチジンを術2日前より投与するファモチジン投与群10例と,非投与群10例とにランダムに群分けし,検討した.
【結果】1)男性12例,女性24例で,年齢62±15歳であった.全例全身麻酔下で瘤内塞栓術を施行した.PCSと判定されたのは,11例であった.PCS群と非PCS群では患者背景として,年齢,動脈瘤最大径,動脈瘤体積,全コイル長,コイル充填率で,それぞれ有意差を認めた.また炎症関連では術後白血球数で有意差を認めた一方で,術前白血球数,術前後CRPでは有意差を認めなかった.2)ファモチジン投与群は男性1例,女性9例,平均61±19歳,非投与群は男性3例,女性7例,平均54±14歳であった.PCSと判定されたのは投与群で1例,非投与群で4例で,そのscoringにおいて,投与群,非投与群の間に有意差を認めた.
【結論】PCSは年齢,動脈瘤最大径,動脈瘤体積,全コイル長,コイル充填率が発生予測因子となった.機序としてはコイルに対する生体反応や免疫反応惹起などが機序にかかわると考えられる.その機序からH2 blockerであるファモチジンが有効である可能性が示唆されたが,今後更なる検討が必要である,