オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル Carotid artery stenting (CAS)におけるstaged angioplastyの有用性
会議名 第27回NPO法人日本脳神経血管内治療学会学術総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者大熊佑, 杉生憲志, 伊丹尚多, 菱川朋人, 小野成紀, 徳永浩司, 伊達勲
発表年月日 2011/11
開催地
(都市, 国名)
千葉
学会抄録 脳神経血管内治療 5(4),310 2011
概要 【はじめに】CAS術後に生じる過潅流症候群は,出血性合併症を来した場合の死亡率が高く,警戒すべき合併症である.近年,脳血流予備能の低下したhigh risk症例に対するCASの過潅流症候群発生予防策として,段階的にまず控えめな経皮的血管形成術(1st stage)を施し,後日にCAS(2nd stage)を行う,staged angioplastyが報告されている.
【方法】当科では,CAS術前に全例でSPECTによる脳血流評価を行い,Stage2相当の症例にstaged angioplastyを採用している.SPECTでStage2相当と診断されたものは,2008年以降13症例あり,これらに対してstaged angioplastyを施行した.またSPECTにて,術前,術後の脳血流予備能の左右比の推移を検討した.
【結果】Staged angioplastyを行った13症例で全例合併症を認めなかった.平均狭窄率(NASCET)の経時的変化は術前92%,1st stage後67%,2nd stage後23%であった.1stと2ndのstage間で狭窄率が進行する症例も5例認めた.SPECT上では,1st stage直後から脳血流予備能の改善を認める症例もあった.本法を採用する以前は,92例のCAS中4例に過潅流による脳内出血を認めていたが,本法採用後は出血を認めていない.【結論】staged angioplastyは,過灌流症候群による出血性合併症低減に有用と考えられる.一方で,手術を二期的に行うリスクや,適応症例の選択,初期PTA施行時の拡張度設定などについては,未だ議論の余地がある.