オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル クモ膜下出血後脳血管攣縮に対する集学的治療困難症例の検討
会議名 第26回スパズム・シンポジウム
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(その他)
発表者・共同発表者小野成紀, 菱川朋人, 西田あゆみ, 徳永浩司, 杉生憲志
発表年月日 2010/04/15
開催地
(都市, 国名)
盛岡
概要 クモ膜下出血(SAH)後脳血管攣縮(VS)に対しては、近年、INVOS など近赤外線酸素飽和
度モニタリングやDoppler 脳血流計など検知機器の発展、あるいはRho kinase 阻害剤や線溶療
法の改良、脳保護治療薬の進歩、全身管理の重要性についてのConsensus 形成などにより、病
態に応じた正しい治療を行えば、VS による重症化はある程度避けられるようになってきた。一
方、タイミングよくVS を検知できなかったり、攣縮期に脱水是正や血圧コントロールが困難な
症例もしばしば経験する。今回我々は、このような、SAH 後VS に対する集学的治療困難症例
につき検討したので報告する。症例は、最近5 年間のSAH で、WFNS grade1-3 の症例のうち攣
縮の検知に問題があったもの2 例、循環器、呼吸器合併症例2 例、腹壁出血1 例。INVOS 検知
が不十分であった症例では、局所の攣縮や末梢性の攣縮をきたしていた。また、循環器、呼吸器
合併症を来した症例では、VS の治療として脱水の是正、昇圧などが優先できず脳梗塞を引き起
こしていた。その他、脳槽ドレーン脱落などによって早期にクモ膜下血腫線溶治療が行えず、結
果としてVS を来したものも散見された。高齢化社会を迎えた中で、さまざまな合併症を有する
SAH 症例に対しては、集学的治療をもってしても治療困難な症例が存在する。このような症例
の管理のポイントとしては、早期からの脳槽洗浄などの線溶療法の成否、Volume 負荷、昇圧な
どの全身管理を行えるかどうかが重要と考えられた。