オノ シゲキ
Shigeki Ono
小野 成紀 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 脳神経外科学2 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 硬膜動静脈瘻治療に対する血管内治療戦略 |
会議名 | 第34回日本脳卒中学会総会・第38回日本脳卒中の外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | 杉生憲志, 徳永浩司, 西田あゆみ, 平松匡文, 菱川朋人, 小野成紀, 伊達勲 |
発表年月日 | 2009/03/21 |
開催地 (都市, 国名) |
松江 |
概要 | 【目的】頭蓋内硬膜動静脈奇形(dAVF) に対する血管内治療(EVT)の有用性につき報告する。【方
法】過去14 年間にEVT を行った160 例のdAVF につき検討し、特に海綿静脈洞(CS) 及び横 静脈洞(LS) 部dAVF の治療戦略の変遷と成績につき検討する。【結果】dAVF の部位はCS70 例、 LS69 例、その他21 例であった。224 回のEVT を行い、経動脈的塞栓術(TAE)139 件、経静脈 的塞栓術(TVE)85 件であった。CS に対しては下錐体静脈洞(IPS) 閉塞があってもほとんどの例 でIPS 経由TVE によるコイル塞栓術が可能で、期間中の全体を通して良好な治療結果が得ら れていた。LS の特にisolated sinus 例では経皮的TVE が困難で、初期の例では小開頭術TVE やTAE 後放射線治療を行ってきた。しかし、最近ではデバイスの進歩やカテーテルのサポー トを強化することにより経皮的TVE の成功率が上がり、さらには液体塞栓物質(NBCA) を使 用したTAE により、すべてEVT により完治がえられている。最終的には本シリーズ全体で2 例を除き、dAVF の完治または症状の軽減が得られた。また、長期的にも治療成功後に悪化し た例及び局所再発例はなく、遠隔部再発を1 例で認めた。【考察】dAVF に対する治療法選択は 種々であるが、当科ではほとんどの症例でEVT を第一選択とし、最近では根治性の高さや普 遍性から、特にCS を代表として、TVE が主流となっている。一方で、通常のTVE が困難な テント部や一部のLS には、NBCA によるTAE が有効なことがあり、本シリーズの最新例で も本法による根治率が上がっている。【結論】dAVF は多くの例でEVT のみ、特にTVE ない しは液体塞栓物質によるTAE により完治が期待でき、長期成績も良好である。 |