オノ シゲキ
Shigeki Ono
小野 成紀 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 脳神経外科学2 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 頭蓋縫合早期癒合症における頭蓋骨モデル作成による手術シミュレーションの効果 |
会議名 | 第22 回脳神経外科手術と機器学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小野成紀, 亀田雅博, 山田潔, 木股敬裕, 山城隆, 伊達勲 |
発表年月日 | 2013/04/12 |
開催地 (都市, 国名) |
松本(長野県松本文化会館) |
概要 | 【はじめに】頭蓋縫合早期癒合症など、骨削除、骨形成を伴う脳神経外科手術においては、患者ごとに頭蓋骨構造は異なり、硬膜損傷や静脈洞損傷など重大な合併症を引き起こすことも懸念される。また、このような疾患では症例数にも限りがあり手術教育の面でも課題が多い。我々は、頭蓋縫合早期癒合症患者において、術前の骨きり部位、削除範囲、形成後のイメージを術者間での共有する手段として、また、手術時間短縮や精緻な骨移動を目的として、術前、手術シュミレーション用に作成した立体骨モデルを用いている。本研究では、この骨モデルの頭蓋縫合早期癒合症における有用性についての概要を報告する。
【方法と結果】骨モデルは、術前CT元画像から頭頂部から下顎下端まで作成、術前シュミレーションおよび術中検討に使用した。これにより、術前の頭蓋骨の性状や骨と硬膜との関係のほか、顎顔面骨や口腔の形態異常も把握することが可能となり、各科間での情報交換に有用であった。頭蓋底モデルの検討は関係各科が、術前ドリルを加えながらほとんど実物と同様の手ごたえを感じつつ手術シュミレーションを行うことが可能で、深部での骨の厚さ、ドリルの感覚を事前に学習できた。また、静脈洞と骨の距離感、骨形成や固定、骨移動後の顔貌の評価など、術前に様々な問題点を議論し評価することが可能であった。 【結語】頭蓋縫合早期癒合症では、手術時間の短縮や頭蓋形成の精密さはもとより、合併症の軽減、脳神経外科と形成外科など各科間での手術情報の共有、希少疾患に対する手術教育など、様々な面で立体骨モデルによる手術シュミレーションは非常に有意義であった。 |