オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル くも膜下出血後脳血管攣縮検知におけるINVOSの役割─血管径とINVOS値の関係を中心に─
会議名 第28回スパズム・シンポジウム:STROKE2012
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 シンポジウム・ワークショップ パネル(その他)
発表者・共同発表者小野成紀, 伊達勲
発表年月日 2012/04/26
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 はじめにくも膜下出血後の脳血管攣縮モニタリングシステムとして我々の施設では、以前からINVOSモニ ター(INVOS5100, Edwards Lifesciences)を用いており、脳血管攣縮の検知におけるその有用性を報告して きた。脳血管攣縮時のINVOSの信頼性については認知されつつあるが、その感度、特異度についての検討は 未だ不十分である。今回、我々はINVOSモニターを用いた脳血管攣縮検知について、脳血管撮影を用いて、 その感度、特異度、造影上の攣縮血管の状態とINVOS値の関係などにつき検討を行った。方法症例は2006年 から現在までのくも膜下出血患者約70人のうち、INVOSモニターを装着し、かつ脳血管撮影を行った35人。 WFNS grade 5とFisher group 1を除く症例に対しINVOSモニターを装着した。INVOSモニターはACA系動 脈瘤であれば前頭・頭頂部に、MCA系動脈瘤であれば前頭・側頭部に貼付した。モニターはDay1からDay2 までに装着し、モニター上も臨床上も脳血管攣縮が認められなければ、Day14に取り外した。脳血管撮影は Day7前後にルーチンに全症例に施行した。また、INVOS値が10以上の低下を示した症例や、意識レベルの低 下、新たな神経症状の出現した場合は、できる限り迅速に脳血管撮影を施行した。INVOS値の推移、貼付部位、 SAHの程度などと、脳血管撮影上の血管攣縮の程度などを比較検討した。結果と考察INVOS値の脳血管攣縮 に対する陽性的中率は90%以上と満足いく結果であった。しかし、一部、末梢性血管攣縮症例や細動脈の血 流不全を来している症例などでは攣縮血管とINVOS値が一致しない例もあり、貼付部位再考の必要性、モニ ターの構造上の限界、神経症状の重要性なども浮き彫りとなった。