オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 脳幹部海綿状血管腫出血例における直達手術9例の検討
会議名 第41回日本脳卒中の外科学会:STROKE2012
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者黒住和彦, 小野成紀, 市川智継, 三好康之, 石田穣治, 春間純, 徳永浩司, 伊達勲
発表年月日 2012/04/26
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 【目的】脳幹部海綿状血管腫は出血を繰り返すため、症状の段階的増悪を認める例での外科的切除が積極的 に考慮されるようになっている。外科的治療では脳幹部へのアプローチの選択が術後の機能的予後を左右す る。今回我々は当施設での脳幹部海綿状血管腫出血例における手術戦略について検討したので報告する。【方 法】当科で外科的治療を行った脳幹部海綿状血管腫9症例を対象とし、手術アプローチ、術後合併症、術後経 過について検討した。【結果】男性8例,女性1例,平均年齢は39.4 歳(24−57歳)であった。血管腫の主座は dorsal midbrain1例、pons 6例、medulla 2例であった。手術アプローチは原則として病変部位が脳幹の表面に 最も近い部分から進入し、延髄外側部にはretrosigmoid approach(3例)、橋背側病変にはtrans 4th ventricle approach(4例)、橋腹側部にはanterior transpetrosal approach(1例)、presigmoid approach(1例)を行なった。 術前に、全例出血による複視などの神経症状を呈していた。摘出度に関しては、全摘7例、亜全摘1例、焼灼1 例であった。術中モニタリングとしては、ABR、SEP、MEP等を用いた。ナビゲーションシステムを6例に用い たところ、使用した全例において海綿状血管腫の正確な位置を把握することができた。術後新たな合併症は 認めなかった。術後のfollow up期間は平均78.2カ月であり、経過中に新たな出血や再発は認めなかった。【結 語】脳幹部海綿状血管腫出血例における手術戦略として適切な手術アプローチを選択し、新たな神経症状の 出現を最小限とすることができた。