オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術後に出現する発熱、頭痛、消化器症状post aneurysmal coiling syndrome"の検討
会議名 第37回日本脳卒中学会総会:STROKE2012
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者大熊佑, 杉生憲志, 平松匡文, 伊丹尚多, 菱川朋人, 眞鍋博明, 小野成紀, 徳永浩司, 伊達勲
発表年月日 2012/04/26
開催地
(都市, 国名)
福岡
概要 【目的】未破裂脳動脈瘤に対するコイル塞栓術後に時に原因不明の発熱、頭痛、消化器症状を認めることがあ る。今回この症状をpost aneurysmal coiling syndrome(PACS)と名づけ、PACSの危険因子と予防法を検討し た。【方法】1)2008年6月〜2010年4月に当院で未破裂動脈瘤コイル塞栓術を行った連続36例をretrospectiveに 検討した。患者背景因子、動脈瘤関連因子、炎症関連因子をそれぞれ検討した。頭痛、消化器症状、体温を scoringし、Cut point以上をPACSと判定した。2)2010年5月〜2011年1月に当院で行った連続20例を対象とし、 H2 blockerであるファモチジンを術2日前より投与するファモチジン投与群10例と、非投与群10例とにランダ ムに群分けし、検討した。【結果】1)男性12例、女性24例で、年齢62±15歳であった。全例全身麻酔下で瘤内 塞栓術を施行した。PACSと判定されたのは、11例であった。PACS群とnon-PACS群では患者背景として、年 齢、動脈瘤最大径、動脈瘤体積、全コイル長、コイル充填率で、それぞれ有意差を認めた。また炎症関連で は術後白血球数で有意差を認めた一方で、術前白血球数、術前後CRPでは有意差を認めなかった。2)ファモ チジン投与群は男性1例、女性9例、平均61±19歳、非投与群は男性3例、女性7例、平均54±14歳であった。 PACSと判定されたのは投与群1例、非投与群4例で、そのscoringにおいて、両群間に有意差を認めた。【結論】 PACSは年齢、動脈瘤最大径、動脈瘤体積、全コイル長、コイル充填率が発生予測因子となった。コイルに 対する生体反応や免疫反応惹起などが発生にかかわると考えられる。その機序からファモチジンが有効であ る可能性が示唆されたが、今後更なる検討が必要である。