オノ シゲキ
Shigeki Ono
小野 成紀 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 脳神経外科学2 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 岡山大学病院小児頭蓋顔面形成センターにおける頭蓋縫合早期癒合症骨モデル作成による手術シミュレーションの効果と手術成績 |
会議名 | 第38回日本小児神経外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小野成紀, 安原隆雄, 山田潔, 木股敬裕, 本城正, 山城隆, 伊達勲 |
発表年月日 | 2010/06/04 |
開催地 (都市, 国名) |
富山 |
学会抄録 | 小児の脳神経 35(2),212 2010 |
概要 | はじめに頭蓋縫合早期癒合症では骨構造が患者ごとに異なり、手術合併症の懸念、術中の計画変更、不十分な頭蓋拡大などをしばしば経験する。また、狭頭症手術自体難易度が高い手術で、かつ症例数にも限りがあり手術教育の面でも課題が多い。当院では、昨年から脳神経外科、形成外科、矯正歯科がコア科となり小児頭蓋顔面形成センターを立ち上げ、頭蓋縫合早期癒合症の手術戦略の組み立てとともに、関係各科間での術前情報の共有手段として術前作成した立体骨モデルを用いている。今回本モデルによる手術シミュレーションの有用性を経験したので、その概要と手術成績について報告する。方法と結果骨モデルは、術前CT画像から頭頂部から下顎下端まで作成、術前シミュレーションおよび術中検討に使用している。これにより、骨情報のみならず、静脈還流、前頭葉、後頭蓋窩などの脳容積、顎顔面骨や口腔、気道の形態異常も把握することが可能となる。我々のシミュレーションの特徴は、関係各科が術前手術室に集合し、実際の手術顕微鏡下でドリルを行い、ほとんど実物と同様の手ごたえを感じながら行う点である。骨きりの際、深部での骨の厚さ、ドリルの感覚を事前に学習でき、また、静脈洞と骨の距離感、骨形成や固定、骨移動後の顔貌の評価など各科間で様々な問題点を議論することが可能である。本骨モデルは最近2年間で5例(7手術)に用い結果として整容的にも、頭蓋容積拡大の程度においても満足のいく結果であった。結語頭蓋顔面早期癒合症では個々の患者への臨機応変な手術治療が必要となる。初回手術や成長の影響で術式選択に苦慮することも多い中、最適な手術戦略構築、合併症の軽減、各科間での手術情報の共有、手術教育など様々な面で術前立体骨モデルによる手術シミュレーションは有意義であった。 |