オノ シゲキ
Shigeki Ono
小野 成紀 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 脳神経外科学2 職種 教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発表タイトル | 胎児水頭症前方視的多施設共同調査 中間報告 - 登録時後方視的調査を中心に - |
会議名 | 第38回日本小児神経外科学会 |
学会区分 | 全国規模の学会 |
発表形式 | 口頭 |
講演区分 | 一般 |
発表者・共同発表者 | ◎小野成紀, 大井静雄, 荒木尚, 伊藤進, 内門久明, 竹本理, 白根礼三, 栗原淳, 稲垣隆介, 田代弦, 井原哲, 伊達勲 |
発表年月日 | 2010/06/04 |
開催地 (都市, 国名) |
富山 |
学会抄録 | 小児の脳神経 35(2),203 2010 |
概要 | 目的厚生労働省研究委託費(20委-9)胎児水頭症研究部門“COE-Fetal Hydrocephalus Top10 Japan”と題した全国調査を実施したのでその概要と中間報告を行う。方法全国のA,C項施設の中から、胎児水頭症治療実績Top10施設を選定し、今回は、今後の前向き調査を踏まえた施設登録時調査として最近1年間の症例における後方視的調査を行った。Perspective Classification of Congenital Hydrocephalus (PCCH分類)による発見時期(1〜4期)、発見時の水頭症の程度(超音波、CTまたはMRI)、家族歴、合併奇形、治療法、その他の外科的アプローチ、IQ,DQ等についてデータを収集した。結果全登録患者数は95例、水頭症診断時期は92症例で検討され、胎児期に診断されたものは56例(60.9%)であった。PCCH分類では、以前の調査より若干体内診断が早期になっており、各施設間での診断時期のばらつきもみられた。水頭症の程度は78%が中等度もしくは重度であり、胎児水頭症の治療の困難さが浮き彫りとなった。背景疾患は、Dandy-Walker症候群、二分脊椎、出血後水頭症、単純性水頭症でほぼ6-7割程度を占めていた。シャントは55.9%に施行され、シャント再建率は39.6%であった。結語水頭症は画像診断の進歩などからより早期に診断される傾向にあった。他の合併奇形、シャントトラブルなども高率に発生しており、背景疾患も多岐にわたっていることから改めてその治療の困難さが浮き彫りとなった。今後、水頭症の治療、PCCH分類における予後、精神運動発達の推移や、ETV、シャントの効果、有効性などを前方視的に追跡調査する予定である。 |