オノ シゲキ   Shigeki Ono
  小野 成紀
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 脳神経外科学2
   職種   教授
言語種別 日本語
発表タイトル 神経内視鏡を駆使したさまざまな水頭症手術と神経内視鏡手術のPitfall、将来への展望
会議名 第19回 日本神経内視鏡学会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 口頭
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎小野成紀, 亀田雅博, 黒住和彦, 伊達勲
発表年月日 2012/11/02
開催地
(都市, 国名)
東京
概要 はじめに神経内視鏡は近年めざましい発展を遂げており、脳神経外科手術の一翼を担うまでに成長している。神経内視鏡とシャント手術のコラボレーション、ナビゲーションを連動させた内視鏡手術、ハイビジョンによる高画質化、軟性鏡であるビデオスコープと硬性鏡の組み合わせ、など、神経内視鏡技術と駆使した手術より神経内視鏡手術の質はさらに向上し、より安全で確実な手術が可能となってきた。我々の施設においても上述の様々な最新機器を神経内視鏡に応用する試みが行われてきたので、水頭症治療に対するこれらの機器の有用性につき報告する。一方、出血に対する対応やBrain shiftの問題など内視鏡におけるPitfallについても検討を行い、神経内視鏡における今後の発展の方向性について考察する。方法と結果対象は2000年から現在まで、岡山大学病院、および川崎医科大学附属川崎病院にて施行された神経内視鏡を用いた水頭症手術症例、約120例。対象疾患、施行された神経内視鏡手技、併用された機器、神経内視鏡の有用性、出血の有無とその対応、Brain shiftの影響の有無などにつき検討した。神経内視鏡の初期症例では、出血等の合併症が散見されたが、2005年度以降では殆ど合併症は無く、シャント抜去、軟性鏡と硬性鏡の組み合わせ、ナビゲーションを利用した内視鏡手術、画像のハイビジョン化や有機ELなどディスプレーの進化などにより、より多くの水頭症症例への応用がなされるようになった。考察と結語神経内視鏡の細径化、高解像度化などの機器の高性能化は日進月歩で進み、内視鏡の応用範囲はさらに拡大しつつある。適応と手技の限界を十分に見極めることで合併症を避けることは可能であり、神経内視鏡を様々な機器と組み合わせることにより、より困難な水頭症治療に対しても安全で確実な治療が可能であると考えられる。