クマノ イチロウ   Ichiro Kumano
  熊野 一郎
   所属   川崎医療短期大学  教育部 看護学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発表タイトル マウス新生子肝臓に出現する細胞死-TUNEL染色と透過電顕による観察

Identification of cell death in fetal and early postnatal mouse livers by TUNEL method and transmission electron microscopy
会議名 第106回 日本解剖学会総会
学会区分 全国規模の学会
発表形式 ポスター掲示
講演区分 一般
発表者・共同発表者◎熊野一郎,佐々木和信,園田祐治,須田満寿美,板野ちか子
発表年月日 2001/04/03
開催地
(都市, 国名)
南国
学会抄録 解剖学雑誌 76(1),122 2001
概要 【目的】マウス胚内で最大の造血組織である肝臓では,造血の最盛期から退縮期までTUNEL染色で陽性を呈する細胞要素が観察される.本研究は造血終末期に見られる肝臓の造血系および非造血両細胞系において,死に至る細胞群を明らかにし,造血の最盛期に見られるTUNEL反応陽性要素との違いを明らかにする.
【材料と方法】ICRマウスを用い,胎生13日から19日の胎子および生後0日から70日齢で肝臓を摘出し,パラフィンおよびEpon812に包埋した.光顕観察用には3μmのパラフィン連続切片を作成し,TUNEL染色(in situ 細胞死検出キットPOD,Roche社製)とHE染色を交互に施し,両染色標本でTUNEL陽性細胞を同定した.さらに,エポン超薄切片上で核の超微形態からアポトーシス細胞の同定を行った.
【結果】肝臓造血最盛期と造血退縮期とでは,TUNEL反応陽性を呈する細胞要素には著しい差違がある.胎生13日では,マクロファージが含有する直径4~5μmの大型球状封入体がTUNEL陽性の主体である.出生直後の肝臓造血の退縮期では,孤立性造血巣が肝臓内に広く散在し,マクロファージに含まれるTUNEL陽性封入体は減少し,造血巣内の造血系細胞が陽性となる.電顕観察では赤芽球および顆粒球系細胞核に,アポトーシスに特有の変化が見られる.一方,非造血系細胞では,造血巣内のマクロファージが陽性となり,さらに少数ではあるが一部の肝細胞がTUNEL反応陽性を示す.
Keywords
fetal hematopoiesis
liver
apoptosis
TUNEL method
electron microscopy
mouse