キムラ トモミ   Tomomi Kimura
  木村 知己
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 形成外科学
   職種   講師
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 三豊総合病院における過去5年間の小児熱傷症例の統計学的検討
掲載誌名 正式名:熱傷
巻・号・頁 38(1),25-31頁
著者・共著者 木村 知己, 太田 茂男
担当区分 筆頭著者
発行年月 2012/03
概要 当院は香川県西部に位置する周辺人口30万人の医療圏であり、1次~3次救急に対応している基幹病院であるため、さまざまな熱傷患者が受診する特徴がある。最近の小児熱傷の傾向を検討すべく、2006年1月から2010年12月までの5年間に三豊総合病院を受診した13歳未満の小児熱傷277例を調査対象として、さまざまな項目で統計学的検討を行った。5年間に当院を受診した全熱傷患者数は659名であり、そのうち13歳未満の小児熱傷症例は277例であり全体の42.0%を占めていた。13歳未満277例において、1歳が83例(30.0%)で最多であり、2歳までで181例(65.3%)を占めた。性別では、男児:53.4%、女児:46.6%であり有意差は認めなかった。受傷原因では、過熱液体によるものが51.3%、過熱固体による接触熱傷が38.6%であった。受傷部位では手が38.5%と最多であった。深達度では、EB:28.2%、SDB:57.0%で8割以上を占めた。熱傷面積では1%未満が50.2%と過半数を占めた。各深達度における治療期間の平均日数は、EB:1.22、SDB:9.87、DDB:21.2、DB:57.7であった。10症例において肥厚性瘢痕形成を認めた。一期的、二期的ともに手術症例は認めなかった。入院は7例のみ(2.5%)であった。虐待による熱傷も1例認めた。地方都市の中核病院である当院において、小児熱傷症例は乳幼児に特徴的な受傷パターンを示した。重症熱傷症例はまれであったが、依然として保護者の不注意による受傷機転が大半であり、保護者の監視と熱源管理が重要であるが、虐待による熱傷もみられ今後注意を要する。