コンド マユミ   Mayumi Kondo
  近土 真由美
   所属   川崎医療福祉大学  医療技術学部 臨床工学科
   職種   講師
論文種別 研究論文(大学,研究機関等紀要)
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 In silico 技術によるフィブリノーゲンと 汎用透析膜素材との分子間相互作用に関する研究
掲載誌名 正式名:群馬パース大学紀要
ISSNコード:18802923
掲載区分国内
巻・号・頁 (29),89-92頁
著者・共著者 近土真由美, 白井達也, 松岡李奈, 鯨智哉, 佐田充, 大濵和也, 木村博一
発行年月 2023/03
概要 透析膜は生体にとって異物であり、透析膜と血液との接触による血液凝固をはじめとする種々の生体反応が誘発されることが明らかになっている。しかしながら、膜素材が惹起する分子レベルでの凝固反応機構には不明な点が多い。そこで、本研究では、血液凝固の主体となるフィブリノーゲンと汎用透析膜素材であるポリメチルメタクリレート(PMMA)の単量体であるメチルメタクリレート(MMA)との詳細な分子間相互作用を明らかにするために、ドッキングシミュレーションを中心としたin silico 解析技術を用いた基礎的検討を行った。その結果、フィブリノーゲン分子の活性部位の一部であるArg 95はMMA の酸素原子と水素結合と炭素- 水素結合を形成し、その分子間距離は2.06 Å と推定された。一方、フィブリノーゲンの活性部位を構成する他のアミノ酸残基であるGly 96とAsp 97はMMA との結合に関与していない可能性が示唆された。また、フィブリノーゲンのロイシン残基であるLeu 124とLeu 94は、MMA とアルキル結合を形成し、分子間距離はそれぞれ5.08 Å あるいは4.71 Å であると推定された。さらに、Met 91は、MMA の酸素原子と炭素─水素結合を示し、分子間距離は3.58Å と推定された。くわえて、フィブリノーゲンとMMA の結合親和性は、-3.2kcal/mol と推定された。以上のことから、MMA は、フィブリノーゲンのいくつかのアミノ酸残基と分子間相互作用を示すものの両者の結合親和性は低く、凝固反応を誘発しにくい素材であることが示唆された。