イシハマ タカノリ
Takanori Ishihama
石濱 嵩統 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 歯科総合口腔医療学 職種 臨床助教8年 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 介護老人保健施設の歯科検診と医療連携についての考察 口腔外科疾患を中心とした臨床的検討 |
掲載誌名 | 正式名:日本歯科医療管理学会雑誌 ISSNコード:03875687 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | (一社)日本歯科医療管理学会 |
巻・号・頁 | 55(3),164-171頁 |
著者・共著者 | 阿部 厚, 林 宏紀, 石濱 嵩統, 古田 浩史, 伊東 優, 上田 あかね, 太田 充彦 |
発行年月 | 2020/11 |
概要 | 当院では2016年4月より社会福祉施設等での無料低額診療事業での無償歯科医療活動を毎年実施してきた。この医療活動において、われわれは無料低額診療事業における口腔外科疾患について検診する機会を得たため、その特徴を把握することにより活動内容の再評価および今後の支援方策と医療活動の充実と改善を図るべく検討を行った。2016年4月から2020年4月までに無料低額診療事業における口腔外科疾患検診を行った患者1,586名について臨床統計的検討を行った。総受診者数は1,586人、年齢の分布は42~107歳までと幅広く分布していた。平均年齢は82.7±9.4歳であった。内訳は男性422名(26.6%)女性1,164名(73.4%)男女比は約1:3で女性が多かった。現在の口腔の状態について、なんらかの不満を有しているものが約60%であった。口腔外科疾患を有していたものは494名で全体の31.1%であった。最も多く認められたのは、抜歯などの外科的処置が必要な患者270名であった。口唇口蓋裂、歯性感染症や悪性腫瘍などの専門施設での治療が必要となる症例も少数ではあるが認められた。診査した歯科医師が今後の治療などの必要性を判定したところ、所見なしは321名(19.8%)、要指導215名(13.2%)、要医療が1,089名(67.0%)であった。今後、口腔外科疾患を有する高齢者の患者数は増加することが予想される。基礎疾患を有する高齢者では習慣性顎関節脱臼、腫瘍、粘膜病変、転倒による外傷、歯性感染症の増悪の割合が増加し、これらの疾患は咀嚼・嚥下機能を障害するだけでなく、フレイルを進行させる遠因になりうると考えられる。これらの患者は、手術などの外科処置の対象にならない場合も少なくないが、実態を把握することや、早期介入することで、より負担の少ない処置による症状をコントロールできることは、意義があると考えられる。(著者抄録) |
文献番号 | 2021080227 |