モリヤ タクヤ   Takuya Moriya
  森谷 卓也
   所属   川崎医科大学  医学部
   職種   学長付特任教授
論文種別 症例報告
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 4型胃癌類似所見を呈した乳癌による転移性胃腫瘍の3例
掲載誌名 正式名:川崎医学会誌
ISSNコード:03865924/2758089X
掲載区分国内
出版社 川崎医学会
巻・号・頁 49,43-58頁
著者・共著者 中藤 流以, 小池 良和, 藤本 康人, 秋山 隆, 大幸 一真, 二ノ宮 壮広, 大澤 元保, 梅垣 英次, 塩谷 昭子, 今村 祐志, 眞部 紀明, 春間 賢, 田中 克浩, 平 成人, 塩見 達志, 森谷 卓也, 畠 二郎
発行年月 2023
概要 緒言:転移性胃腫瘍は全胃腫瘍のうち0.3%と比較的稀である.転移性胃腫瘍の原因として,乳癌は悪性黒色腫と並び多く,乳癌症例では剖検例も含めると2~18%に胃転移を認められている.上部消化管内視鏡(EGD)所見は4型進行癌類似が最多とされている.生検ではHE染色のみでの診断は困難で,GATA3等の乳癌マーカーおよび原発胃癌特異的マーカーとされるHNF4A等による免疫組織学的検討が鑑別に重要とされている.乳癌による転移性胃腫瘍と診断した3例を報告する.症例1:60歳代,女性.202X年9月に左乳癌(浸潤性乳管癌),骨転移の診断で薬物治療が開始された.202X+1年9月から心窩部痛が出現しEGDの結果,体上部に4型胃癌類似の所見が認められた.生検で低分化~未分化腺癌,GATA3陽性,HNF4A陰性で乳癌による転移性胃腫瘍と診断した.症例2:50歳代,女性.201X年10月に右乳癌の診断で外科的治療が行われた(浸潤性小葉癌)後,薬物療法が行われたが,その後胸膜,骨転移が出現した.保存的治療が続けられ,201X+4年9月のPET-CTで胃壁の集積が出現した.EGDの結果,胃体上部~中部に4型進行癌類似の所見が認められた.生検で低分化腺癌,GATA3陽性,HNF4A陰性で乳癌による転移性胃腫瘍と診断した.症例3:60歳代,女性.200X年7月に左乳癌の診断で,薬物治療後,200X年+1年11月に外科的治療が行われた(浸潤性乳管癌で一部に浸潤性小葉癌).200X+12年11月に肝転移と骨転移が出現し薬物治療が再開され転移は縮小した.200X+16年5月から心窩部不快感が出現しEGDの結果,胃穹窿部~体下部に4型進行癌類似の所見が認められた.生検で低分化腺癌,GATA3陽性,HNF4A陰性で乳癌による転移性胃腫瘍と診断した.結語:乳癌の転移性胃腫瘍は4型胃癌類似の所見となることがある.乳癌既往のある症例では転移性腫瘍の可能性を考慮し,免疫組織学的検討を行うことが重要である.(著者抄録)
文献番号 2025010082