ヨダ タケシ
Takeshi Yoda
依田 健志 所属 川崎医科大学 医学部 臨床医学 公衆衛生学 職種 准教授 |
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論文種別 | 原著 |
言語種別 | 日本語 |
査読の有無 | 査読あり |
表題 | 自殺予防に向けた大学生のメンタルヘルスに影響を及ぼす心理社会的要因の研究 |
掲載誌名 | 正式名:四国公衆衛生学会雑誌 ISSNコード:02862964 |
掲載区分 | 国内 |
出版社 | 四国公衆衛生学会 |
巻・号・頁 | 62(1),81-87頁 |
著者・共著者 | 鈴江 毅, 片山 はるみ, 藤川 愛, 岡田 倫代, 辻 よしみ, 坂野 紀子, 吉岡 哲, 宮武 伸行, 依田 健志, 平尾 智広 |
発行年月 | 2017/02 |
概要 | 【目的】大学生のメンタルヘルス傾向と、それに関与する社会的、心理的因子について検討し、自殺予防の一助とすることを目的として、調査・解析を行った。【方法】2011年1月~2月にかけて、A大学の大学生・大学院生全員6,602名を対象にアンケート調査用紙を配布した。メンタルヘルス傾向の評価はK6質問票日本語版(以下K6)を用いた。また、社会的・心理的因子に関しては、大学生活、学校問題、経済問題、家庭問題、健康問題(身体)、男女問題、その他の問題について計25項目の設問を用意し、K6と社会的・心理的因子それぞれの設問項目について、共分散構造分析を用いて、定量的・構造的な検討を行った。【結果】大学生・大学院生2,057名から結果用紙を回収した。その中でK6及び社会的・心理的因子にすべて回答した者は1,626名であった。前述の社会的・心理的因子25項目について、主因子法・バリマックス回転による因子分析を実施したところ、4因子が抽出され、それぞれ「家庭個人生活」、「大学生活」、「将来不安」、「人間関係」因子と命名した。これらの因子と「K6」の関係について、定量的・構造的な検討を行った結果、「家庭個人問題」「大学生活」は互いに大きく関連し、相関係数は0.64(p<.001)であった。またそれらと別に「将来不安」と「人間関係」は互いに関連しており、相関係数は0.70(p<.001)であった。「K6」に関しては「将来不安」が大きな影響(標準化推定値は0.49、p<.001)を与えている構造が定量的に明らかになった。全体の適合度指標は、χ2=3692.354、CFI=0.853、RMSEA=0.068であった。【結論】大学生のメンタルヘルスに与える影響として、社会的因子や心理的因子について検討した結果、「家庭個人問題」「大学生活」は直接の関係は少なく、主に「将来不安」が、「人間関係」と関連しながら、直接的にメンタルヘルスに影響を与えていることが明らかとなった。自殺予防に向けたメンタルヘルス対策としては、人間関係の改善に留意しつつも、将来不安すなわち就職や進学などに対する支援を重視していく必要があると考えられた。(著者抄録) |
文献番号 | 2017216891 |