ヨダ タケシ   Takeshi Yoda
  依田 健志
   所属   川崎医科大学  医学部 臨床医学 公衆衛生学
   職種   准教授
論文種別 原著
言語種別 日本語
査読の有無 査読あり
表題 医療系大学生入学時の風疹抗体価と幼少時の予防接種・風疹罹患の関係性について
掲載誌名 正式名:地域環境保健福祉研究
ISSNコード:13439286
掲載区分国内
出版社 香川環境保健福祉学会
巻・号・頁 25(1),37-43頁
著者・共著者 高佐 怜央, 依田 健志, 矢野 博巳, 勝山 博信
担当区分 2nd著者,責任著者
発行年月 2024/03
概要 <目的>風疹ワクチンを定期接種として接種した1993年から1997年生まれの大学入学生を対象に,予防接種実施の有無,また,風疹罹患の有無について整理し,それぞれの群での抗体価の比較を行うことで効果的な風疹対策について検討することを目的とした。<方法>2011年-2015年に岡山県内の医療系大学に入学した4,439名のうち,入学時に血清検査による風疹抗体価を測定したものを対象とした。抗体価は日本環境感染学会の基準に従い,基準未満を抗体不十分(陰性)とし,2群に分類した。また,自記式の健康管理記録で風疹ワクチン接種及び風疹の罹患歴について確認し,抗体価と風疹ワクチン接種の有無及び風疹罹患の有無との関連について検討した。<結果>風疹抗体陰性者の割合をみると,風疹予防接種ありと回答した者の抗体陰性者の割合が最も少なく3.1%(123人)であった。風疹罹患有無に関しては風疹抗体陰性者の割合に有意差は見られなかった。予防接種と罹患歴の組み合わせで抗体陰性者の割合を検討した結果,予防接種ありかつ風疹罹患なし群で3.1%だった。最も抗体陰性の割合が多かったのは予防接種なしかつ風疹罹患なしで28.4%であった。<考察>最も抗体陰性者割合が高い群は「予防接種なしかつ風疹罹患なし」の群であり,風疹抗体陰性者の割合は28.4%であった。最も少ない群との差は25%程度である。これは予防接種をすることで,25%程度の人は抗体が基準を満たすはずであると言い換えることができる。本研究から,風疹の罹患歴よりも,風疹予防接種の有無の方が長期にわたる抗体持続に影響している可能性が示唆された。特に医療系大学生においては,病院実習等で風疹ウイルスに曝露する可能性があるため,より積極的な抗体検査及び抗体陰性者への予防接種の実施が必要である。(著者抄録)
文献番号 Y328440005<Pre 医中誌>